2023/8/22 更新
「いつかは万年筆を持ちたい」という思いを胸に秘めているなら、デビューは
早いほうがいい。その分自分に合う万年筆に出会える可能性が高くなるのだから。
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持ち主の個性が文字に色濃く表れ、
書くことをもっとも楽しめる筆記具 - ボールペンが普及した今では、万年筆で文字を書いたことがないという方も多いのではないだろうか。「書くことをもっとも楽しめる筆記具」と言われる万年筆がどういう筆記具なのか、解説しよう。
- 万年筆は、液体が重力や上下左右に関係なく浸透する毛細管現象を利用した筆記具。細い溝が彫られた「ペン芯」をインクが流れることでペン先に供給され、さらに「スリット」というペン先の裂け目に届いて書けるという仕組みだ。ペン芯の細い溝で空気を調節することにより、インクの出し入れを制御している。そんな万年筆でうまく書くコツは力を抜いて、万年筆をやや寝かせ、紙の上を滑らすように書くこと。最初は慣れないかもしれないが、長時間書き続けても疲れないサラサラとした書き心地に夢中になってしまうだろう。
- 万年筆は、自分でインクを補充する必要がある。インクの吸入方式は大きく分けて3つ。インクつぼから直接吸い上げる「吸入式」、その吸入が簡単にできる「コンバータ式」、そして替え芯のように手軽に補充できる「カートリッジ式」だ。愛好家の間でよく好まれるのは吸入式やコンバータ式。一見面倒に思えるが、さまざまな種類のインクを楽しめるのに加え、インクを補充するという作業自体に醍醐味を感じる人が多い。
- ペン先の形や素材によって、書き味がまったく異なるのが万年筆。形に関してはメーカーによってさまざまであるものの、基本的にはF(ファイン・細字)、M(ミディアム・中字)、B(ブロード・太字)の3つが基準となっている。同じ表記でも、基本的に舶来のものは国産のものよりやや太め。素材に関しては、インクの酸に侵されず、適度な弾力性のある金が代表的だ。書き味が少し硬めのステンレス製になるとやや安価になる。
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あまたの万年筆から自分好みの1本を
選ぶには、インスピレーションも大切 - 初めての万年筆を選ぶとき、あまりの種類の多さに面食らってしまうかもしれない。しかし、ポイントを押さえて自分好みの条件を絞っていけば、おのずとあなたにふさわしい1本が見つかるはず。
ペン先で選ぶ
漢字を書く日本人には一般的にEF(極細)〜F(細字)が好まれるが、使用シーンを想定して選ぼう。素材に関しては、書き味が柔らかいが高価な金や、硬めではあるが安価なステンレスなど、好みと予算から絞るのがいいだろう。
ペン軸で選ぶ
筆記具の中でもペン軸の自由度が高い万年筆。セルロイド、樹木、合成樹脂、金属などさまざまな種類があるので、好みを見つけてほしい。また、太さや重さも重要なポイントなので、ブランドごとの特徴を知っておこう。

インクで選ぶ
手軽に楽しみたいならカートリッジ式、いろいろなインクを試してみたいなら吸入式など、自身の目的によってインクの吸入法をチェックしよう。万年筆自体にはインクが入っていないので、合わせて購入するのを忘れずに。
デザインで選ぶ
万年筆はパーツが多いこともあり、筆記具の中でもっともデザインが豊富と言われている。素材や使い勝手など、選んでいて行き詰まってしまったら、ファーストインプレッションを頼りに選んでみるのもひとつの手だ。
歴史ある筆記具だけあって、万年筆には数多くの老舗ブランドや定番モデルが存在する。どれを選んでも間違いない、最初の1本にふさわしい名門の"顔"である10本をセレクト。
- MONTBLANCモンブラン
- マイスターシュテュック149
- 筆記具の最高峰メーカーが誇る万年筆の王者的モデル
- ブランドの代表コレクション「マイスターシュテュック」の中でも、最大モデルとして君臨する「149」。万年筆の王者として確固たる地位を保ち続けている。
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- Pelikanペリカン
- スーベレーンM800
- ペン・オブ・ザ・イヤーに
輝いた万年筆ブランドの双頭 - 男性の手にぴったり収まるサイズの「M800」。代名詞である縞模様の軸に、ブランド名である「ペリカン」のくちばしを模したクリップが所有欲をくすぐる。
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- SAILORセーラー万年筆
- プロフィット21
- 日本古来の武器「なぎなた」に似たペン先が生む独特の書き味
- 日本メーカーの万年筆の書き味は抜群。中でも、本ブランドの創業当初からある伝統のペン先「なぎなた」は、漢字や仮名が美しく書けることから愛され続ける名品。
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- AURORAアウロラ
- オプティマ
- ずっと眺めていたくなる
鮮やかかつあでやかなペン軸 - メーカーが独自に開発した「アウロロイド」という素材をペン軸に採用した美しい1本。磨き上げられたあでやかな軸は、光にかざしてずっと眺めていたくなる。
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- CARAN d'ACHEカランダッシュ
- エクリドール レトロ
- カランダッシュの遺伝子を受け継ぐアイコニックなデザイン
- カランダッシュの鉛筆を元にデザインされたシャープな六角軸は、高い堅ろう性を感じさせるもの。握った際の手なじみも良いため、長時間でも快適に書くことができる。
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- PARKERパーカー
- ソネット グレートエクスペクテーション スペシャルエディション ブラックシズレ
- イギリス王室御用達ブランドの
伝統と気品を感じる一級品 - モダンで優美なフォルム、洗練された書き味、耐久性の高さのどれをとっても上質。クラシックな格子柄とブランドの象徴「矢羽クリップ」がポケットに挿した胸元を彩る。
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- PLATINUMプラチナ萬年筆
- #3776 センチュリー シャルトルブルー
- 最高傑作と呼び声高い
ベストセラー万年筆 - 日本最高峰の品質を目指して開発され、富士山の標高にちなんだ名を冠した万年筆。完全機密のスリップシール機構を搭載し、年に1〜2回の使用でもインクが固まらない。
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- WATERMANウォーターマン
- カレン
- 自由な発想と伝統を融合させる
近代万年筆のパイオニア - 世界で初めて毛細管現象を使った万年筆を生み出した近代万年筆の祖。首軸とペン先が一体化したフォルムがエレガントな「カレン」は、ブランドの代表作。
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- PILOTパイロット
- カスタム74
- 国産スタンダード万年筆の最高峰。色あせない名作
- 日本筆記具メーカーの筆頭パイロット。その中でもスタンダードモデルであるカスタム74は、国産万年筆を語る上では外せない1本。名に恥じぬ実力を備える。
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- FABER-CASTELLファーバーカステル
- アンビション ココスウッド 万年筆
- シンプルだからこそ映える椰子の木軸の素材感
- クローム仕上げのキャップと椰子の木材の軸に段差のないフラットなデザインが特徴的。ペン先は程よい柔らかさがあり、万年筆初心者にも書きやすい。
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歴史の長い万年筆には、個性派も多く誕生している。キャップのないもの、変わった吸入法のもの、奇抜なデザインのもの……。ここでは、数ある万年筆の中でも特に個性の強い5本を紹介。
- VISCONTI
ビスコンティ - ファンゴッホ
- 名画から生まれ、さながら
1本1本がアート作品 - ゴッホ作品の鮮やかな色彩を表現したコレクションシリーズ。名画から抽出した色彩のレジンを職人がひとつずつ切り出しているため、その全てが模様の異なる一点物となっている。
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- SAILOR
セーラー万年筆 - 甲州印傳万年筆 鞘形
- 江戸期からの伝統技法で施した端正な和柄に心が躍る
- 400年以上に渡り受け継がれる伝統技法「甲州印傳」により、鹿革に漆で「鞘型」の文様を施した万年筆。鞘型には「家の繁栄」「長寿」などの意味があり、武家に好まれた。
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- PILOT
パイロット - キャップレスLS FCLS-35SR-BM
- 「ノック&ツイスト」機構を
搭載した最新キャップレス - ノックすることで18金のペン先が現れる、ボールペンのような仕組みはまさに革命的1本。シャッター機能搭載で、もちろんインクの乾きも心配ない。
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- Recife
レシーフ - クリスタル ブラック
- 使うインクの色で
見た目が変わるクリアボディ - 軸が透明で中のインクが見えるデザイン。書くとき以外にも光にかざしてみたり、左右にインクを流してみたりとつい手に取って見つめてしまう美しさを持つ。
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- PILOTパイロット
- カスタム 槐
- 「幸せを呼ぶ樹」を軸にした
縁起のいい万年筆 - 軸に使用した槐は、お面を彫刻して鬼門に置き魔よけとした縁起木。寺社建築の装飾にも用いられる耐久性に優れた木質で、長く愛用するほどに艶や色合いの変化を楽しめる。
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