リーマンショック以降、家計にやさしいウチ飲みが徐々に広がっていた。それがここにきて、さらにウチ飲み志向が強まっているらしい。家族や親しい友人とのウチ飲みで楽しく盛り上がるには、どうするか。新商品や料理専門家のアドバイスを元に、目からウロコのおつまみ例を紹介しよう。
飲み食いしている商品は、男女ともに話のタネに
東日本大震災のあと、ウチ飲みをする人が以前にも増して増えている。「もしまた大きな余震が」と思うと、自宅から遠い場所では落ち着かない。外で飲むにしても家の近くで飲もう、どうせなら自宅で飲めば安上がり、ということか。
それに加えて、「大震災以降、家族とのきずなを強めたい人が増えています」と説明するのは、第一生命経済研究所ライフデザイン研究本部副主任研究員の宮木由貴子さんだ。大震災をきっかけに、誰もが人間関係の見直しを迫られた。自分にとって大切な人は誰かを考えたとき、その人たちとより密につながりたくなる。そこで自然な流れとして、家族や親しい友人と家で飲み食いしながら親交を深めるホームパーティ型ウチ飲みが増えているというのだ。
第一生命経済研究所とインフォキューが共同で2011年5月に行った調査では、今後友人宅での飲食を「増やしたい」傾向が強かったという。(参照:「ウチ飲み&男子会&女子会の実態と震災の影響について」より「同性同士の飲食コミュニケーションでの話題の男女差について」)
そんなホームパーティ型ウチ飲みを盛り上げるには、どうするか。同調査では、同性同士の飲食会での話題は、男性と女性で違いが出た。男性は仕事や趣味の話が圧倒的に多い。女性で最も多いのは家族の話だ。それに女性は仕事や趣味の話もするが、そのとき飲んだり食べたりしている商品について、健康、美容など話題は多様。ただ、男性でもそのとき飲み食いしている商品の話題は多い。お酒やつまみの話題は、どんな人にも受け入れやすい、いい話のタネになりそうだ。
ウチ飲み用アイデア商品で話題づくりを
ウチ飲みが増えているということで、ウチ飲み用を狙った商品も多くなっている。日本酒やワインは、少人数でも飲みきれる小さいボトルが目に付く。ずばりウチ飲み用をうたって、注目を集めるものもある。「これ、ウチ飲み用なんだって」と目新しい商品を出せば、かっこうの話題づくりになりそうだ。
例えば、カルピスは昨年12月発売の「カルピスとマッコリのお酒」に続いて、6月に熟成梅酒とカルピスを組み合わせた「カルピスと梅酒のソーダ割り」を発売した。カルピスとマッコリや梅酒と聞くと「えっ」驚くし、興味をそそられる。
また、宝酒造の梅酒“寶「生姜梅酒」500ml”は、ニフティと小学館が企画運営する「酒コミュ」との共同企画だ。「酒コミュ」の女子酒部で女性の意見を取り入れて開発したという。生姜という素材選びはもちろん、ボトルのデザインにも意見は反映されている。「趣味がいいよね」「私は好みじゃない」など、やはり話のネタに使えそうだ。

「寶「生姜梅酒」500ml」。生姜と梅酒の組み合わせやボトルデザインも「酒コミュ」での意見を取り入れて開発された