2017年5月24日掲載
基礎知識
クレジットカードの支払い方法を理解し、上手に活用しよう

クレジットカードは、現金がなくてもカード会社が代金を立て替えてくれる支払い手段の1つです。必要に応じて、代金を分割払いにもできるため、大きな金額の買い物をしたいときは大変役立ちます。しかし、分割払いをはじめとした支払い方法の仕組みをよく理解しないまま利用すると、手数料がかさんだり、いつまでたっても支払いが終わらなかったり、かえって不便になってしまいます。クレジットカードの支払い方法について詳しく説明しますので、クレジットカードで支払う際の参考にしてください。
クレジットカードの支払い方法には6種類
支払方法の選択には金利手数料の有無が決め手になります。
支払いの種類 | 返済方法 | 手数料 |
---|---|---|
1回払い | 商品などを購入した翌月に一括して支払う | なし |
2回払い | 商品などを購入した翌月と翌々月、2回に分けて支払う | なし(必要な場合も) |
ボーナス一括払い | 商品などを購入した翌ボーナス時期に一括して支払う | なし(必要な場合も) |
指定月一括払い | 商品などを購入した翌月(または翌々月)以降半年以内の指定月に一括して支払う | なし |
分割払い | 利用金額と手数料の合計を指定の回数に分けて、毎月支払う方法 | あり |
リボルビング払い | 利用件数や金額に関わらず、月々の支払額を一定額に決めて支払う方法 | あり |
手数料のかからない支払い方法
最も利用率の高い「1回払い」
分割払いやリボルビング払いは手数料が必要ですが、手数料がかからない支払い方法もあります。最も基本的で、多くの人が利用しているのが「1回払い」です。マンスリークリアとも呼ばれる1回払いは、商品の購入をしてから30〜50日後のあらかじめ決められた支払日に、一括して決済される方法です。
分割手数料がかからず、最も基本的な支払い方法なので、お店側も特に申し出がなければ1回払いで手続きをしています。
利用できないカードもある 「2回払い」
「1回で支払うには金額が大きすぎる」という場合には、「2回払い」を選んでもよいでしょう。商品購入代金を2分割し、30〜50日後の支払日に1回目、さらに1か月後の支払日に2回目を支払います。2回払いのメリットは、分割なのに手数料がいらないことです。
三井住友カード、楽天カード、オリコカード、セゾンカード、ポケットカードなど多くのカード会社で2回払いは選べます。ただし、アメリカン・エキスプレスは対応していません。ポケットカードの場合は手数料が発生するなど、対応しているカード会社によっては手数料を負担する場合があるので、会社のホームページなどをよく確認してください。
大きな買い物をしたときには「ボーナス一括払い」
分割払いやリボ払いに加え、「ボーナス一括払い」も、大きな買い物の際に便利な支払い方法です。ボーナス一括払いは、商品購入をした翌ボーナス時期(7・8月または12・1月)にまとめて支払う決済方法で、1回払いや2回払い同様に手数料がかかりません。
しかし、飲食店や規模の小さな小売店などでは利用できないことがあります。また、カード会社によってはボーナス支払い時期前の1か月間程度、ボーナス一括払いの利用を停止していることがあるため、ボーナス時期の直前では利用できない可能性もあります。
ボーナスがもらえることを前提にしたボーナス一括払いですが、ボーナスは会社の業績によって増減します。いざというとき支払いに困らないよう、事前にまとまった金額を銀行口座に入れておくなど、余裕を持った金額の範囲内で利用することが大切です。
ボーナスを組み合わせた支払い方法も
あまり一般的ではありませんが、一部のカード会社では「ボーナス2回払い」「ボーナス併用分割払い」というサービスもあります。イオンカードやセディナカードでは、夏と冬2回のボーナスで支払いする「ボーナス2回払い」、三井住友カードや東急カードでは、ボーナス月に支払代金を上乗せする「ボーナス併用分割払い」があります。手数料が発生する場合もあるため、事前に利用方法をよく確認しておきましょう。
自分で支払い月を指定できる「指定月一括払い」
指定した月にまとめて支払う「指定月一括払い」という仕組みもあります。カードを利用した翌月(または翌々月)以降から半年以内の間で、自分が決めた月に一括で支払います。この支払い方法も手数料がかかりません。
ボーナスの支給月が一般的な企業と違っていたり、まとまったお金が入ったりする月などがある場合に便利ですが、すべてのカードが利用できるわけではありません。お店によっては取り扱っていない場合もあるため、注意しましょう。
分割払い、リボ払いには手数料が必要
高額な買い物をするときには「分割払い」
「分割払い」とは、クレジットカードでの購入代金を3回以上に分けて支払う方法です。購入金額を均等分割し、たとえば3万円の商品を5回に分けて支払う場合は、毎月6,000円を5か月にわたって支払います。
支払い回数は、カード会社が独自に定めている回数しか選べません。3〜36回の範囲で設定していることがほとんどです。主なクレジットカードを例に挙げると、三井住友カードは3〜24回、楽天カードは3〜36回となっています(分割払いにあたらず手数料が発生しない2回払いも選べます)。
分割払いは、高額な買い物をするときに大変便利です。たとえば、引っ越しに合わせてテレビや冷蔵庫、洗濯機などをまとめ買いし、支払金額が30万円になっても、10回払いであれば月々3万円、24回払いなら1万2,500円で済みます(手数料除く)。カード会社によっては、いったん一括払いで決済した買い物金額を、後から分割払いに変更することも可能です。
分割払いの方法はとても簡単です。クレジットカードを使ってお店で商品を購入する際、支払い回数を伝えるだけです。
より月々の負担を減らしたいなら「リボルビング払い」
分割払いの中には、「リボルビング払い(リボ払い)」と呼ばれる仕組みもあります。支払い回数を決めるのではなく、カード決済した10万円分の商品代金を月々5,000円ずつ支払うなど、毎月の支払金額を決める方法です。
リボ払いのメリットは、月々の支払金額が決まっていることです。月1万円と設定しておけば、1万円以上の金額が銀行口座から引き落とされる心配はありません。5万円の商品であっても、30万円の商品であっても、支払う金額は月々1万円です(手数料除く)。家計を圧迫したくない場合などは、便利な支払い方法といえます。
リボ払いは基本的にお店ではなく、カード会社に申告して利用できるようになります。カードの種類によってはリボ機能がなかったり、リボ払いができても支払額が金額に応じて決まっていたりといったことがあるため、きちんと契約書やカード会社のホームページなどを確認しましょう。
分割払い、リボ払いには手数料がかかる
月々の負担を軽くでき、一見するとメリットばかりに映る分割払い、リボ払いですが、もちろんデメリットもあります。1回払いなどと比べて合計の支払金額がかさむ、ということです。
分割払い、リボ払いは、カード会社が立て替えた代金を毎月払っていく仕組みです。簡単にいうと、カード会社から前払いで借りたお金を毎月少しずつ返済していくことと同じです。そのため、住宅ローンやカードローン、キャッシングなどの金利と同様に、「実質年率18.0%」など、購入金額に一定の割合をかけた費用が毎月の支払代金に上乗せされます。「分割払い手数料」などと呼ばれます。
手数料は借りている期間が長い(分割回数が多い)ほど、かさみます。オリコカードの場合は12回払いで支払代金の14.6%、24回払いで15.0%の手数料が発生します。30万円の商品を24回払いで買うと総支払額は34万8960円と、5万円近い手数料がかかります。この手数料を、毎月の支払代金に上乗せして支払う仕組みです。
同じ金額を毎月支払うリボ払いは、支払い回数による手数料の違いはなく、一定です。
分割払いやリボ払いは、高額の商品を買っても毎月の支払金額を抑えられるため、使い方次第では大変便利な支払い方法です。しかし、手数料がかさみやすいため、注意しましょう。
特に、支払い回数が決まっていてゴールが見える分割払いと比べ、リボ払いは金額が一定のため、つい使い込みがちで、いつまでたっても返済が終わらないリスクがあります。返済期間が長くなるほど手数料負担は大きくなるため、リボ払いの残高はこまめにチェックする習慣をつけましょう。
分割とリボの手数料


繰り上げ返済で手数料を抑えよう
手数料負担が気になったり、手持ちのお金に余裕があったりするときなどは、前倒しで支払いを済ませることもできます。支払い期間が短くなった分だけ手数料を支払わずに済みお得になりますが、別途事務手数料が必要な場合があります。
繰り上げ返済の仕組みや手数料の計算はカード会社によって異なるため、カード会社に問い合わせるといいでしょう。
まとめ
クレジットカードなら1回払いやボーナス払い、分割払いなど、6種類の中から自分の都合に合った支払い方法が選択できます。ただ、一括での支払いは手数料もかからず気軽に活用できる一方、分割払いに関しては、購入金額に対しての手数料も割高である上に、支払期間が長ければ長いほどより手数料もかさむので注意した利用を心がけましょう。
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