ASUSEee PC 901-X (ノートパソコン) |
BenQE2200HD (液晶モニタ・液晶ディスプレイ) |
東芝REGZA 37ZV500 (液晶テレビ) |
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パナソニックナノケア EH-NA90 (ドライヤー・ヘアアイロン) |
ニコンD700 (デジタル一眼レフカメラ) |
パナソニックFOMA P706iμ (携帯電話) |
三洋電機Mini GORILLA NV-SB360DT (カーナビ) |


ユーザーの方々に日々書き込んでいただいているレビュー・クチコミの評価をベースに、「その年ユーザーにもっとも支持された(満足度の高い)製品」を選出するという、他に例を見ないユニークな集計方法を採用したアワードです。いわゆる「売れ筋ランキング」や「評論家(オーソリティ)によるアワード」と異なり、売り上げ的にはさほど大きなヒット商品になっていなくとも、価格に対する性能(満足度)の高い製品が選出される傾向にあるのが特徴です。
2008年の価格.comプロダクトアワードの結果を見てみると、一昨年、昨年のアワードよりも、より「コストパフォーマンスのさらなる追求」と「機能性から便利さへのシフト」という2点がクローズアップされてきた感がある。
まず「コストパフォーマンスのさらなる追求」であるが、パソコンや家電といったエレクトロニクス分野では、ほとんどのジャンルで高機能・高性能化がすでにかなり進んだ状態になっており、各メーカーとも性能面での差別化が非常に難しくなっている。もちろん技術革新は進んでおり、2008年は「ブルーレイレコーダー」のような新たなヒット商品も生まれたが、人気の「液晶テレビ」や「ノートパソコン」「デジタルカメラ」などのカテゴリではすでに機能面は熟成された感があり、消費者の意識も「それほど高機能なものはいらないから、むしろ安くしてほしい」というように変わってきていると言えよう。
こうしたやや飽和感のある市場の中で、「高くていいもの」から「安くていいもの」が求められるようになり、熾烈な価格競争が繰り広げられたのが2008年であった。その結果として、パソコン市場では5万円程度で買える小型PC「ネットブック(UMPC、ミニノート)」がヒットを飛ばし、カーナビでも、性能をある程度割り切った小型製品「ポータブルナビ」が注目を集めた。液晶テレビ市場でも、一世代前の型落ち製品が人気を呼ぶなど、消費者のコストパフォーマンスに対する意識はかなり厳しくなってきており、ユーザーから高い評価を受けたアワード受賞製品の中には、「低価格なのに高性能(そこそこ満足のいく性能)」という高コストパフォーマンス型の製品が目立つ。

メディアクリエイティブ部
部長 鎌田 剛
もう1つあげた「機能性から便利さへのシフト」であるが、こちらも前述した機能性の飽和と密接に関わっている。前述のネットブックも、単に価格が安いというだけでなく、小型で軽量、しかも起動が軽いといった、モバイルPCとしての便利さを多くのユーザーが実感できたことが高い評価につながっている。ポータブルナビも同様だ。こうした流れがもっとも顕著な携帯電話カテゴリでは、ある程度の性能を犠牲にしつつも、むしろ薄型・軽量といったデザイン性と機動性にフォーカスした製品として多くのユーザーの共感を得た「FOMA P706iμ」(ドコモ/パナソニック)が、大賞を受賞している。このように、高機能・高性能よりも、むしろ自分の生活スタイルに合ったデザインや使いやすさを求める消費者の声が反映された製品が、2008年のプロダクトアワードでは多く選出された結果となった。
ただ、その一方で「いいものをしっかりと作り込んだ」高機能・高付加製品に対する評価もしっかりと根付いている。こうした高機能・高額製品の人気は、カメラなど趣味性の高い製品カテゴリや、美容・健康といった部分に関連するカテゴリで特に顕著だ。カメラカテゴリで大賞を受賞したデジタル一眼レフカメラ「D700」(ニコン)は、20万円を超える高級製品でありながら、ユーザーの満足度は非常に高く、そうした意味でのコストパフォーマンスは秀逸だ。家電カテゴリで大賞を受賞した液晶テレビ「REGZA 37ZV500」(東芝)も、熾烈な値下げ競争の中で、ある程度高いプライスゾーンを保ち続けた製品であるが、その高機能性はやはりしっかりと評価されている。生活家電カテゴリの大賞を受賞したヘアドライヤー「ナノケア EH-NA90」(ナショナル/パナソニック)も、1万円を超えるドライヤーとしては高価な製品だが、他にはないオンリーワンとしての付加価値が高く評価されての受賞となった。
このように、2008年の価格.comプロダクトアワードでは、単純に「いいもの」だけではなく、「安くていいもの」がユーザーによってよりシビアに選別された結果になった。昨今の不況の影響もあろうが、単純な高機能・高付加価値だけでは、厳しい目を持ったユーザーから高い評価を得ることが難しくなってきている。価格の安さも大事であるが、最終的にユーザーの支持を得る製品は、値段に対して納得できる「質」を持った製品であるかどうかということだ。2008年の価格.comプロダクトアワードでは、そうした意味での真のコストパフォーマンスがよりシビアに求められる時代になったということを実感する結果となっている。
ユーザーによるレビュー、クチコミ掲示板のレポート内容などを基に総合的に算出しました。
※なお、レビュー・クチコミ数が一定数に満たない製品に関しては選考対象外としています。(対象外となる人数は各部門によって異なります。一定数を満たした製品が1つしかない場合は金賞のみの選出となります。また一定数を満たす製品が1製品もない部門に関しては部門全体が対象外となります)
・部門賞(金賞、銀賞、銅賞)・・・各部門の上位3位を選出します。(1位:金賞、2位:銀賞、3位:銅賞)
・各カテゴリ内で最も評価ポイントの高い製品をプロダクト大賞とします。








