裸眼立体視対応のタッチパネル液晶を搭載
3.5型約92万ドットのタッチパネル液晶は裸眼立体視(視差バリアー方式)に対応している。2Dモニターにも切り替え可能で、3D撮影時に2D表示でモニターすることもできる。3D表示にするとやや暗くなって精細感も落ちるが、視野角は広くて比較的見やすい。2Dモニターにすると従来液晶とほぼ同じ明るさになり、精細感も増すので、野外やマニュアルフォーカスでの撮影には2Dモニターの方が向いているだろう。
「価格からするとGS-TD1は高級機と言えます。3Dになったとしても、高級機には今までのビデオカメラと同じようにマニュアル撮影機能が付いているのが当然でしょう。3Dと引き替えにマニュアル機能がなくなってしまったら、それは進化とは言えません。ユーザーの方々もそうお考えになると思います。ですので、マニュアル撮影はぜひとも実現したかった機能でした。マニュアル機能のほか、高速な並列処理や省電力など3Dムービーを実現するための必須条件があります。これらのハードルをクリアするために、次世代のビデオカメラ用LSI『FALCONBRID』(ファルコンブリッド)を新たに開発しました」(担当者)
FALCONBRIDは、同社が新開発した3D対応の高速映像処理エンジンである。2つの撮像素子からのHD信号(1920×1080 60p)をFALCONBRID 1個で信号処理し、3D動画と3D静止画への圧縮が可能だ。
「今までの2DムービーのLSIは、1つの撮像素子から入力された信号を処理するシステムでした。これを使って2眼の3Dムービーを作ろうとすると、左右2つの撮像素子からの信号を、従来のLSI 2系統で処理する必要があります。ところが、2系統の回路を連動して制御するのは困難です。60pのHD映像2つ分のデータは膨大なため処理速度も不足し、電力も2システム分かかります。これに対してFALCONBRIDは、1つのLSIに2つの撮像素子からの信号を同時に取り込んで、高速に処理できるようになっています」(担当者)
左右2つのハイビジョン映像、それも60p解像度の巨大なデータをリアルタイムに処理して合成するのは、確かに今までのLSIには荷が重そうだ。
「2つの映像のWB(ホワイトバランス)やAF(オートフォーカス)などをシンクロさせないと違和感がでてしまいます。ここがこだわった点であり、苦心した点でもあります」(担当者)
左右2つの映像を比較して、ずれがないように合わせることも重要だ。これもFALCONBRIDの大きな機能である。
「3D映像にするためには、左右2つの映像に適切な視差を付ける必要があり、このために2つの映像を見比べる機能があります。AVCHD規格で記録する場合、2つの映像を1つに合成して、サイドバイサイドの映像として圧縮する機能も必要です。これらは、従来の2Dカメラ用LSIにはない機能で、左右の映像を同時に高速処理できるFALCONBRIDで実現することができました」(担当者)
![Everio GS-TD1-B [ブラック]](https://img1.kakaku.k-img.com/images/productimage/l/K0000217622.jpg)