高画質だが発展途上の「MPEG-4 MVC」フォーマット
第2のフォーマットである「MPEG-4 MVC」は、MPEG-4 AVC(MP4ファイル)の3D拡張規格としてISO(国際標準化機構)で規定された新しい国際フォーマットで、Blu-ray 3D(3DのBD-ROM)にも採用されている。
メリットは左右の映像をそれぞれフルHDで記録できる点にある。左目用のデータを基準としてフルHD記録し、右目はそれに対する差分データとして記録する。これを「フレームパッキング方式」と呼ぶ。通常のMPEG-4データとの下位互換も図られていて、2Dデコードしかできない再生環境では左目用の2Dデータのみ再生される仕組みだ。THRモード(34Mbps)とTSRモード(22Mbps)が選べる。
ちなみにGS-TD1では、3DのAVCHD映像は今までのビデオカメラと同じく「private」フォルダーに記録される。MPEG-4 MVCのデータはMP4拡張子のファイルとして、静止画と同じ「DCIM」フォルダーに格納される。PCでこのMP4ファイルをダブルクリックすると左目の映像だけが再生され、一般の2D MP4ハイビジョン映像として見られる。
画質(解像度)的には、AVCHDよりもMPEG-4 MVCのほうが高画質だ。ただしMPEG-4 MVCは新規格のためオーサリングや再生環境が整っておらず、発展途上のフォーマットと言える。
MPEG-4 MVC方式で記録した映像をキャプチャーしたもの。現状ではBDに記録できないため(BDにフルHD 3D映像を記録する規格が定まっていないため)HDD記録のみだが、フルハイビジョンの3D記録ができる点が魅力だ。3D表現にはわずかに“書き割り感”(芝居の書き割りのように見える効果)があるが、AVCHDよりも花や人肌の質感がより伝わってくる。MPEG-4 AVC映像に対する下位互換も実現しており、PCでこのMP4ファイルを再生すると、左目用に記録した映像だけが再生される仕組みとなっている
![Everio GS-TD1-B [ブラック]](https://img1.kakaku.k-img.com/images/productimage/l/K0000217622.jpg)