


携帯電話部門では、パナソニックの「VIERAケータイ」こと「docomo PRIME series P-01B」が大賞を受賞。2年連続でパナソニックのFOMA携帯電話がこの部門での大賞を受賞することとなった。「P-01B」は、ドコモが展開する4つのシリーズ中、ハイエンドモデルが集まるPRIME seriesに属すハイエンドモデル。搭載される約3.3インチの大型ディスプレイは、「VIERAケータイ」の名前が示すように高品質な画質を提供する。鮮やかな大型画面でワンセグを視聴できるほか、フルブラウザ搭載でPC用のインターネットサイトも利用でき、利便性が高い。
また、その高精細な大型ディスプレイと並んで本製品を特徴付けているのが、キーボード部分に仕込まれたタッチパッドだ。通常は携帯電話のテンキーとして動作するキーボード面が、ワンタッチでタッチパッドに早変わり。このパッドの上で指を滑らすことで、画面上のカーソル移動や、ブラウザのスクロールなど、さまざまな操作が行えるのである。最近の携帯電話ではタッチパネルを採用する製品が増えているが、指の太い男の人などの場合タッチパネルでは細かい操作が行いづらいことが多々ある。その点ではタッチパッドのほうが使い勝手がいいというユーザーの声も多かった。また、パナソニックの携帯電話に特徴的なタテ/ヨコ双方に開く「Wオープンスタイル」も使い勝手は上々である。
しかしそれ以上に、P-01Bで評価が高いのは「レスポンスの速さ」である。この点、ほとんどのユーザーが口をそろえて「速い!」と評価しており、多機能でありながらも、非常にサクサク動く操作感が、本機の評価を大きく押し上げている要因になっている。また、大型のサブディスプレイを装備するシンプルなスクエアデザインで彩られたボディも、高い評価を得ている。
ワンセグ機能も評価が高い。本機は「VIERAケータイ」と銘打っているだけあって、ワンセグ視聴のクオリティには並々ならぬ自信を持っているが、前述の高精細液晶画面と、本体内に仕込まれた感度の高いループアンテナの存在、そしてVIERAで培った「モバイルWスピード」や「モバイルWコントラストAI」などの高画質機能が相互に絡み合って、現状で最上級の美しいワンセグ映像を作り出しているのである。
このように、「P-01B」はかなりの高性能モデルであるため、バッテリー駆動時間が若干短くほぼ1日くらいしか持たないというネックはあるものの、それを大きく上回る使いやすさと画質の良さで、多くのユーザーの評価をほぼ満点近くまで押し上げる結果となった。2009年の携帯電話市場は「iPhone 3GS」をはじめとするスマートフォンが大きな話題となったが、こうしたスマートフォンを押さえて「P-01B」が堂々の大賞受賞に至ったことは、大きく評価していいだろう。
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モバイルターミナルビジネスユニット
技術グループ ドコモ技術総括
沢村恒治さん
-- 昨年の「FOMA P706iμ」に引き続き、パナソニック製品が2年連続の大賞受賞ということになりました。2009年はスマートフォンをはじめ、さまざまな有力候補が登場した中でも、その人気の底力を見せつけた結果となったわけですが、今の率直なご感想はいかがですか? 今回の大賞受賞に関しては非常によろこんでいるとともに、正直意外だったという感も抱いています。と言うのも、この「P-01B」については多機能であるがゆえに値段も高く、ユーザーさんの声を聞いても値段がネックとなって購入に至らないというケースが多くありました。この2年前に発売した「P905i」という製品が非常にヒットしたんですが、「P-01B」は2年割賦が終わる2009年に出す製品ということで、期待は高かったんです。しかし残念ながら、販売はまだその期待値には達していません。ただ、私たちの調査結果でも、実際にご購入された方の満足度は非常に高かったんです。その点では今回の受賞と一致していたわけで、私たちにとっても非常に自信となりました。
-- 「P-01B」が評価された最大の理由はどんなところにあるとお考えでしょうか?
なかなか難しい質問ですが、「P-01B」を購入いただいた理由としては、パナソニックの「Pシリーズ」の根強いファンの方がやはり多くいらっしゃるということが大きいと思います。このような評価をいただいたということは、やはり従来の「P」ユーザーの方が数多く乗り換えてくれたのかなと思っています。
もう1つあげるなら、前モデルに比べて、デザインがより洗練されたことかと思います。ホワイト、ブラック、マゼンタの3色展開させてもらっていますが、定番であるホワイト、ブラック以外の3色目をいろいろ悩んだ結果マゼンタにしたのはよかったかなと思っています。また、今回のモデルでは上側全体が横に開く「スッキリWオープン」を採用し、横に開いたときにスッキリしたラインが出せるようになっています。液晶サイズも3.3インチに大きく見やすくなっていますし、液晶自体も非常にキレイという評価をいただいています。そうした全体としてのデザイン向上もユーザーの皆さんに支持された理由ではないでしょうか。
-- クチコミ評価の中では「レスポンスのよさ」という点も高く評価されていましたね。 購入いただいた後の「満足度」が上がっているとすれば、レスポンスのよさは大きな要素でしょうね。実はこのレスポンスの向上に関しては、かなり時間をかけて意図的に改良したポイントなんです。毎年ユーザーの満足度調査を行っていますが、その中で最近の機種は、残念ながらレスポンスの不満が多かったです。もちろん全操作項目のレスポンスを上げるのは難しいですが、ユーザーの皆さんがよく使うと思われる項目を100以上挙げて、開発メンバーでレビューを行いながら、優先順位をつけてレスポンスの改良に取り組んできました。その改良の成果というのは出ていると思いますので、そこについて高い評価をいただけたというのはうれしいですね。ただ、レスポンスのよさというのはあまり宣伝文句にはなり得ませんので、ユーザーの皆さんがクチコミで広めていただけるのは本当にありがたいことです。
-- あと「P-01B」といえば、独自の「タッチパッド」がユニークな機能として搭載されていますが、こちらも非常に使い勝手がよいと高い評価をされていました。そもそも、タッチパッドを採用したきっかけはどういった点だったのでしょう?
このタッチパッドの搭載については非常に悩みました。今の携帯電話はタッチパネルが主流になっていますが、そんな中タッチパッドを採用するというのはどうなんだろうと。ただ、「P-01B」に関して言えば「Wオープン」というスタイルで行くというのを決めた中で、たとえばヨコ開きのようなスタイルで使ううえでタッチパネルがはたして使い勝手がいいのかと言うと、必ずしもそうではないんじゃないかということで、最終的には静電シートを敷いたタッチパッドということになりました。
この静電式のセンサーを採用した製品は他社でもありましたが、操作できる面積が狭いとか反応が鈍いという点が欠点でした。そこで、操作性を損ねない範囲でできる限り広い面積をタッチパッドとして用いようということで、3×4のテンキー部分を最大限活かしてタッチパッドにするということになったのです。操作性についても、開発当初はやはり動作がぎこちない部分もありましたが、最後までチューニングを施し、やっと思い通りに仕上げたというところです。「P-01B」が持っているヨコ開きのスタイルはノートPC的なイメージもありますし、ノートPCのマウスパッドと同じようにタップもスクロールもできますので、操作感についてはいろいろ工夫しています。
-- 液晶画面のキレイさはもちろんですが、ワンセグなどの受信感度に関しても評価が高いです。昨年の「FOMA P706iμ」でもアンテナなどにさまざまな工夫がなされているとお伺いしましたが、本製品でもそのDNAは脈々と受け継がれていそうですね。 弊社はもともと通信技術に関しては長年の開発実績があり、特にアンテナに関しては、さまざまな特許技術を持っています。ですから、アンテナの性能についてはFOMAやワンセグ含め他社にも負けない自信を持っている部分です。「P-01B」については、ワンセグのアンテナを外付けと内蔵の2本ありますので、感度は確実によくなっています。
-- 背面の大きなサブディスプレイも人気の1要素ですね。 このサブディスプレイにはワンセグも映せますので、本体を開けずにワンセグを楽しめるという点でも便利ですが、このディスプレイについては、カメラとして使う際の使いやすさを訴求したいですね。カメラとして使う場合には本体を開けずに起動できますし、画面を開いた状態にすればメインカメラとサブディスプレイが同じ方向を向くので、高画素で自分撮りが行えます。この機能を生かして、2人の顔が近づいたときにシャッターが切れる「ラブシャッター」というような遊び要素も搭載しているんですよ。
-- 最後に、「P-01B」を支持していただいたユーザーの皆さんにひと言メッセージをお願いします。クチコミの中で「バッテリーの持ちが悪くなった」といった意見がありました。これについては、年々高機能化していく携帯電話としては仕方がない部分もあるのですが、ただ基本的な携帯電話としての使い方をするうえでバッテリー消費が従来モデルより悪くなっているということはありません。今回残念ながらバッテリーの持ちで悪い評価をいただいてしまったことについては、さまざまな付加機能による部分も大きいんです。たとえば、今回「万歩計」という新機能を搭載していますが、これも初期状態だとオンになっていますので、どうしてもそのままだと歩くだけでバッテリーを消費してしまいます。他にも通常の使い方では必要ない機能や明るさを低減するなどして、バッテリーの持ちをよくできる工夫はあります。そういう設定などをもっと簡単にできるよう、現在次に向け取り組んでいます。ですから今後もユーザーの皆さんにはぜひ長い目で見ていただき、「やっぱり『P』でよかったな」と言っていただけるような製品を今後も作っていきたいと思っています。
発表当初、他の新機種と比べると前機種からの地味なマイナーチェンジかと思いきや、基本性能が格段にレベルアップしていた。カタログ上のスペックには表れない部分がしっかりしている印象。... 続きを読む
欠点が無くて非常に良い携帯です。他のPrimeシリーズに比べてもレスポンスが格段に良いのと、ワンセグの感度が良いので購入しました。タッチパネルが流行りだけど、タッチパッドの方が全然使えます。... 続きを読む
液晶は精細で画質も本当に素晴らしいです。縦オープンと横オープンで2種類の壁紙を楽しめるのも良いです。さらに横オープンだとワンセグや動画サイトが大画面で見れるので非常に満足してます。... 続きを読む
| パナソニック | docomo PRIME series P-01B(携帯電話) | 3501ポイント |
| パナソニック | docomo PRIME series P-01B | 3501ポイント | |
| 富士通 | docomo PRIME series F-01B | 2781ポイント | |
| シャープ | THE PREMIUM WATERPROOF SoftBank 935SH | 2510ポイント |
| APPLE | iPhone 3GS 32GB | 3188ポイント | |
| 東芝 | docomo PRO series T-01A | 2574ポイント | |
| APPLE | iPhone 3GS 16GB | 1680ポイント |
ユーザーによるレビュー、クチコミ掲示板のレポート内容などを基に総合的に算出しました。
※なお、レビュー・クチコミ数が一定数に満たない製品に関しては選考対象外としています。(対象外となる人数は各部門によって異なります。一定数を満たした製品が1つしかない場合は金賞のみの選出となります。また一定数を満たす製品が1製品もない部門に関しては部門全体が対象外となります)
・部門賞(金賞、銀賞、銅賞)・・・各部門の上位3位を選出します。(1位:金賞、2位:銀賞、3位:銅賞)
・各カテゴリ内で最も評価ポイントの高い製品をプロダクト大賞とします。

