今回の「価格.comプロダクトアワード2013」で、AV家電部門のプロダクト大賞に輝いたのは、「XBA-H3」というヘッドホン(イヤホン)製品だった。これまで、液晶テレビなどの大型製品ばかりが受賞していたことを考えると、かなり意外な結果といえるかもしれない。
「XBA-H3」は、「ハイブリッド3ウェイドライバーユニット」と呼ばれる、一風変わった方式を採用するヘッドホンだ。一般的にヘッドホンのドライバーは、「ダイナミックドライバー」と「バランスド・アーマチュア・ドライバー」という2種類に大きく分けられる。ダイナミック型は中低域の迫力に強く、バランスド・アーマチュア型は中高音域の解像感に強いといわれているが、この「XBA-H3」は、ダイナミック型とバランスド・アーマチュア型を組み合わせることで、低音から高音まで幅広いレンジの音楽に対応できるヘッドホンに仕上がっているのである。これまでのヘッドホンの常識から考えると、かなり特殊な方式を採用したヘッドホン製品といえる。
実際に購入して聴いてみたユーザーのレビューでは、まず2基(HDスーパーツィーター、フルレンジ)搭載されたバランスド・アーマチュア・ドライバーの中高音域の音の美しさ、高解像感を評価する声が多い。ものすごくヌケがいいというわけではないが、原音に忠実で解像感の高い音を伝えてくれるという意味では、非常にレベルが高い音を再現しているという評価だ。さらに、通常のバランスド・アーマチュア・ドライバーではやや弱い低音の迫力が、ウーハーを担当する「ダイナミックドライバー」によって、しっかりとフォローされている点が、本機の最大の特徴。それも、音量があってブーストしている感じではなく、解像感も保ったまま低音をバランスよく持ち上げてくれている感じで、この音域バランスのよさを高く評価するレビューが多く見られた。音の感じ方は人それぞれなので、一概には言えない部分もあるが、最近流行のハイレゾ音源で聴くと、その解像感の高さが際立つともいわれており、非常に、ポテンシャルの高い製品といえる。逆に、3ウェイドライバー搭載ということで、それなりの大きさもあり、万人向けとは言いがたい面もあるが、3万円前後の価格の製品としては、かなりレベルの高い音を再現する製品として、高い評価を集めることとなった。
ちなみに、2013年のオーディオ製品市場を振り返ると、さまざまなジャンルでソニーの製品の躍進が目立ったように感じる。ポータブルオーディオプレーヤーでは、ハイレゾ音源対応のウォークマンシリーズが人気を集めたほか、ポータブルヘッドホンアンプ「PHA-2」や、Bluetoohヘッドセット「MDR-EX31BN」など、ソニーが久々にオーディオで本気を出した、と思わせる製品が多かった。その中の代表モデルとして、この「XBA-H3」が、プロダクト大賞に選出されたことは、ソニーのオーディオ部門の総合力の高さを表しているのかもしれない。
ソニーマーケティング株式会社
メディア・バッテリー&
AVペリフェラルマーケティング部
野崎 雄大さん
-- 今回は受賞おめでとうございます。まずは率直な感想をおうかがいできますか?
この度は「AV家電部門 大賞」という素晴らしい賞を頂き大変光栄です。ありがとうございます。弊社初の試みであるハイブリッドタイプのインナーイヤー型ヘッドホンが高く評価されたこと、またその音質を多くのお客様にご満足いただけたことを、大変嬉しく思っております。
これからもお客様に感動して頂けるような商品を提案し続けて行ければと考えています。
-- 本製品を開発するにあたってこだわったポイントを教えてください。
XBA-H3は、音楽をより楽しんで頂く為に高解像度の中〜高域音を特長とするBAドライバーユニット2基(フルレンジ+HDスーパートゥイーター)に、豊かな中〜低域音を特長とする16mmダイナミックドライバーユニットを加えることで、双方の長所を活かした高音質を実現しています。特に新開発のBAドライバー「HDスーパートゥイーター」は、ソニーのインナーイヤー型ヘッドホンとして初めて、3Hz-40kHzの超高域再生を実現しました。これにより、CDの3倍以上の情報量を持つハイレゾリューション・オーディオ音源の微妙なニュアンスまで、余すところなくお楽しみ頂くことが可能です。
-- ユーザーから高く評価されたと思われるポイントはどこにあったとお考えですか?
昨今ハイレゾリューション・オーディオ音源などを始めとする、より高音質な音楽を楽しみたいというお客様が増えてまいりました。圧縮音源は勿論、そうした高音質音源まで楽しめるH3の音づくりがお客様から高い評価を頂けたポイントだと思います。
-- 最後に、価格.comのユーザーへひと言コメントをお願いします。
この度はソニーのXBA-H3に対して高いご評価を頂き有難うございます。今後もお客様により満足して頂けるような商品・サービスの開発に努力して参ります。これからもソニーのヘッドホンをどうぞよろしくお願いします。