価格.comプロダクトアワード2013 生活家電カテゴリ プロダクト大賞

生活家電の分野で、2013年、年間を通じて元気だったのが「掃除機」だ。従来からのサイクロン掃除機を中心としたキャニスター型に加え、取り扱いしやすいスティック型、電源コードレスのコードレス掃除機、さらにはロボット掃除機や、布団掃除機などの目的特化型掃除機まで、さまざまなアイデアを凝らした製品が発売され、活気を呈していた。そんな「掃除機」カテゴリーから、生活家電部門のプロダクト大賞が選出されたのは、いたって自然な流れといえる。しかしながら、プロダクト大賞に選出された製品は、上記のようなきわめて特徴的な機能を持った製品ではなく、むしろ、オーソドックスな設計の掃除機であったという点が興味深い。

三菱電機の「Be-K TC-FXC5J」という掃除機は、一見したところ何の変哲もない、紙パック式のキャニスター型掃除機である。そんな本製品が、ここまで高いユーザーからの支持を得た理由は、ひとえにその扱いやすさにある。まず、本体が非常に小さい。210(幅)×323(奥行き)×210(高さ)mmというコンパクトボディのため、取り回しがしやすく、2.5kgという軽さもあって、追従性もバツグン。ハイパワーのキャニスター型掃除機の半分以下の重量しかないので、本体を手で持って掃除することも可能。力のない女性やシニア層の方でも、非常に手軽に掃除ができると好評だ。

しかも、こんなに小さいのに、吸込仕事率は500Wと、必要十分なパワーを持っているのも評価のポイントだ。「パワー」に関する評価は4.73と（※）、かなり高い。コンパクトな掃除機、それも紙パック式の掃除機としては、異例の高評価といえる。ほかの項目の評価でも「静音性」以外のすべての項目が4.6以上と非常に高く、バランスのいい掃除機に仕上がっていると言っていいだろう。

価格面でも、1万円ちょっとくらいで購入できるため、割安感があり、メインに使っている掃除機にプラスして使うためのサブ機として購入するケースも多いようだ。このところ、ロボット掃除機の普及もあり、大ざっぱにはロボット掃除機で掃除し、細かい部分だけ、スティック型やコードレス型などのサブ機で掃除するという、掃除機2台体制の家庭も増えてきており、本製品もそうした2台目として購入されるケースが多いようだが、比較的取り回しがしやすく、コードレス型などよりもパワーがあるため、メイン機としても十分使えるという評価を得るに至っているようである。