投資信託の種類と特徴について理解しよう

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これから始める方に、投資信託入門ガイド

投資信託の種類と特徴について理解しよう

更新日 : 2017年2月22日

少額から投資でき、初心者でも手掛けやすい金融資産として人気の投資信託。ただし、購入できる銘柄は6,000本近くにも達します。「いろいろあって何を買えばよいかわからない」と頭を抱えてしまわないよう、投資信託のおおまかな種類と特徴を説明します。

投資信託の種類で押さえるべき2つのポイント

投資信託の種類を見極めるポイントは、大きく分けて「投資している資産の内容」、「運用スタイル」、の2点です。それぞれくわしく説明します。

ポイント1「投資している資産の内容」を理解する

投資信託は、投資する資産クラスごとに大きく4つに分けて考えることができます。海外資産は、さらに先進国と新興国に分けることもありますが、ここでは投資経験の少ない初心者向けに、「国内株式型」、「国内債券型」、「海外株式型」、「海外債券型」という代表的な4種類で説明します。

投資信託は分散投資が可能な金融商品ですが、1本だけを選ぶのではなく、この4種類を組み合わせ、資産や通貨を分散することでより安定的な資産形成が可能となります。さらに、国内不動産や海外不動産、金、原油といった実物資産に関連した投資商品もありますが、上記の4資産ほど多くはありません。

組み合わせはさまざまです。たとえば「国内株式20%、国内債券40%、海外株式10%、海外債券30%」のように、値動きが安定している債券ファンドを中心にバランスよく組み合わせたり、「国内株式50%、海外株式50%」と株式ファンドにウエートを置いたりと、個人の投資スタイルに合わせて自由に決めることができます。

こうした組み合わせのことを、英語で「portfolio(ポートフォリオ)」といいます。初心者におすすめのポートフォリオの作り方は『投資信託を活用したポートフォリオの作り方とは?』の記事で紹介しています。

4資産別のファンドの一例(価格.com調べ)

資産クラス ファンド名
国内株式型
外国株式型
国内債券型
外国債券型

このほか、運用会社がプロの視点で、1本のファンドの中で株式や債券を組み合わせる「バランス型ファンド」もあります。バランス型ファンドの特徴として、長期間にわたって安定した運用成果を得ることを目指す資産配分にしてあるので、「自分でポートフォリオを組む自信がない」という初心者は、バランス型ファンドの中から銘柄を選んでもよいでしょう。

バランス型ファンドの一例(価格.com調べ)

資産クラス ファンド名
バランス型
ポイント2「投資信託の運用スタイル」を確かめる

投資信託の運用スタイルは、大きく「パッシブ運用(インデックス運用)」と「アクティブ運用」の2種類に分かれます。
パッシブ運用(インデックス運用)は日経平均株価や東証株価指数(TOPIX、トピックス)など、特定の指数に連動した値動きを目指す運用スタイルです。
基本的に、常に指数と連動した値動きになるように運用するため、その指数を上回るリターンは期待できませんが、アクティブファンドに比べて運用コストが安いという特徴があります。

パッシブ運用(インデックス運用)ファンドの一例(価格.com調べ)

運用スタイル ファンド名
パッシブ運用
(インデックス運用)

アクティブ運用は、指数を上回るリターンを目指すスタイルです。ファンドマネージャーやアナリストが個別企業の調査・分析をするなど手間をかけ、えりすぐった銘柄に投資します。その分、パッシブ運用(インデックス運用)と比べ運用コストは高くなる傾向があります。

銘柄選択や組み入れのタイミングが奏功すれば、指数などと比較して高いリターンを得られますが、失敗すれば市場平均を下回る成果しか得られないケースもあります。ファンドの運用方針や過去のパフォーマンスなどを吟味して、納得感のあるものを選ぶことが重要になります。

アクティブ運用ファンドの一例(価格.com調べ)

運用スタイル ファンド名
アクティブ運用

パッシブ運用(インデックス運用)とアクティブ運用のファンドを見分けるには、目論見書を確認しましょう。パッシブ運用(インデックス運用)であれば、目論見書の冒頭部分にある商品分類に「インデックス型」と記載されています。銘柄名に「パッシブ」「インデックス」などの言葉が入っていることもあります。

このほか、株式に投資するアクティブファンドを選ぶときは「グロース投資」と「バリュー投資」という2つの運用スタイルについても覚えておくとよいでしょう。

「グロース投資」とは、「growth」という名前のとおり、将来、高成長が期待できる銘柄をファンドに組み入れる運用スタイルです。日本語で「成長株投資」といいます。「バリュー投資」は現在の価値(value)が割安な企業に投資するスタイルで「割安株投資」とも呼ばれます。

一般的に、値動きが大きいのはグロース投資といえます。グロース投資は現在の価値よりも将来性にかけて投資するので、期待を上回ったり、失望させられたりして値動きが大きくなる傾向があります。バリュー投資は、今の価値を踏まえて投資するので、グロース投資と比べれば値動きは大きくなりにくい特徴があります。

グロース投資かバリュー投資かの見分け方は、少し難しいです。目論見書などに必ずしも記載されているわけではありません。

しかし、目論見書にある「ファンドの特色」などをみて、企業の成長に着目していたり、IT企業など将来の高成長が期待できる銘柄を投資対象にしていたりする場合は、グロース投資といえます。一方で、配当利回りや株価収益率(PER、ピー・イー・アール)、株価純資産倍率(PBR、ピー・ビー・アール)などをもとに銘柄を選んでいればバリュー投資の手法を用いていると判断できます。

投資信託には「追加型」「単位型」という分け方もあります。「追加型」とは、いつでも自由に買ったり売ったりできるタイプです。投資信託の大部分は、この仕組みです。「単位型」は、ファンドの運用が始まる前の決まった募集期間のみ買うことができ、運用が開始されてからは追加投資できません。
商品によって違いはありますが、単位型はたいてい3〜5年程度で償還(ファンドの運用を終了すること)されるのが一般的です。ファンド名に「201605」など運用開始月が記載されるケースも多く、追加型と見分けやすくなっています。

まとめ
  • 投資信託の運用対象は大きく分けて「国内株式」「国内債券」「海外株式」「海外債券」の4資産
  • 「インデックス運用(パッシブ運用)」は市場平均並み、「アクティブ運用」は市場平均を上回るリターンを目指す運用スタイル
  • 株式ファンドのアクティブ運用は、大きく「グロース投資」と「バリュー投資」に分かれる

[監修] ドイチェ・アセット・マネジメント 資産運用研究所ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社が創立30周年の節目の年を迎えたことを機に、2015年10月1日に社内シンクタンクとして設置。「貯蓄から資産形成へ」の流れが本格化する中、投資家や販売会社(銀行や証券会社)に向けた公正かつ中立的な情報発信によって、資産運用市場の発展に資することをめざす活動に従事している。
編著 「外資系運用会社が明かす投資信託の舞台裏」(ダイヤモンド社)
資産運用の重要性や投資信託の仕組みなどを解説し、「工場見学」のスタイルで運用会社の仕事をくわしく紹介

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