2017年8月22日
基礎知識
過熱する住宅ローンの金利競争、なぜ起きているの?
マイホーム購入の時、ほとんどの人が利用する住宅ローン。近年、金融機関では金利の引き下げ競争が激しさを増しています。競争の背景にはなにがあるのでしょうか? 金利競争のわけを「世の中の事情」と「金融機関の事情」で見てみましょう。
「世の中の事情」によるもの
市場の金利が低くなっている
全期間固定型の金利は、10年国債の利回りなど長期金利の影響を受けます。10年前の2005年の10年国債の利回りは約1.3%だったものが、2015年には約0.4%になっており、大きな流れでは低下が続いています。変動金利型についても、バブル崩壊後は、ゼロ金利政策(金融緩和)が続いていて、金利はほぼ最低水準のままです。このような状況から金利は低くて当たり前、という風潮が一般的に広まっています。
加えて、「フラット35S」(当初の金利を10年間もしくは5年間引き下げるタイプ)の登場で、当初引き下げ期間中の金利が変動金利型や10年固定の金利に迫ってきたことも、金利競争の過熱へとつながっています。
住宅の着工戸数が減っている
近年、住宅を購入する人の数が減っています。2008年のリーマンショック前と比べてみると、ここ5〜6年の新設住宅着工戸数はその7割ほどしかありません(国土交通省「建築着工統計調査報告」より)。また、消費税引きげによる駆け込み需要のあとは、着工戸数も低迷しています。住宅ローンを借りる人の総数が少なくなるため、金融機関は少しでも多くの顧客を自行に呼び込もうと考え、金利の引き下げが起きる要因になっています。
「金融機関の事情」によるもの
金利の引き下げ幅が拡大
住宅ローンの金利には「店頭金利」と「適用金利」があります。通常、店頭金利から一定の金利を引き下げた「適用金利」が借り入れの際の金利です。ある金融機関が、引下げ幅を拡大すると、他の金融機関はさらに引き下げをするという状況が繰り返されてきました。こういった金融機関同士の「金利の引き下げ合戦」も、金利競争を過熱させている原因の1つといえるでしょう。
| 適用時期 | 下げ幅 |
|---|---|
| 2005年12月 | -0.7(変動型)-1.0%(10年固定型) |
| 2011年11月〜 | -1.4% 〜 -1.6%(すべての金利タイプ) |
| 2014年4月〜 | -1.5% 〜 -1.7%(すべての金利タイプ) |
金利下げ幅は拡大方向に
※一部の時期について記載・キャンペーン月などを除く
ネット専業銀行・ネット経由申込みのシェア拡大
低金利を売りにした「ネット専業銀行」などがシェアを伸ばしていることも、金利競争に拍車をかけています。ネット専業銀行は、店や人にコストがかからない分、金利を低くすることができます。最近では、来店中心の金融機関もこれらに対抗するため、コストのかからないインターネット経由での申し込みに力を入れています。結果、メガバンクや地方銀行においても、店頭より低い金利の商品が登場しています。ネット専業銀行などの躍進も、金利競争の一因になっているでしょう。
「借り手」が注意したいことは?
「低金利」に流されない購入タイミングで
「金利が1%を切っているから」ということを大きな理由に、「買うべきタイミングでない人」が住宅購入に走ってしまうことがあります。家族の構成が変わるかもしれない、転勤があるかもしれないといった人は、特に冷静になりましょう。自分にとってベストなタイミングで購入する意思を持つことが大事です。
「借り過ぎ」にならないセーブが大事
金利が低くなれば、毎月返済額は少なくなります。つい「もっと多く借りても返済できそう」と、借入額を増やしてしまいがちになります。全期間固定型で借りる場合は別ですが、変動金利型や固定金利選択型の場合には、借入額が大きくなれば、金利が上昇したときの返済額の増加も大きくなるので注意が必要です。金利が低いときこそ、予算決めが甘くならないようにしましょう。
| 借入金利 | 借入可能額 |
|---|---|
| @ 2.0% | 3,020万円 |
| A 1.5% | 3,270万円(@+250万円) |
| B 0.7% | 3,720万円(@+700万円) |
金利が低いほど多く借り入れできる
※借入期間35年 元利均等返済
金利が低いということは、その分、金融機関の利益が少なくなるということです。金融庁は、競争が原因で住宅ローンの審査や管理が甘くなっていないかと、金融機関の調査を始めています。今後、審査の内容が厳しくなることも考えられます。一方で、住宅ローンの借り手にとって、金利が低くなることは好ましいことです。金利競争がいつまでも続くとも限りませんので、低金利に踊らされることがないようにしつつも、自分の身の丈の範囲内でうまく使っていきましょう。

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【借り入れ手続き】基本的にウェブのフォームに記入されば良いので簡単です。
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