住宅ローンを比較するときに、最も基本になるのが「金利」です。住宅ローンを選ぶ際になぜ「金利」が大切になるのかを理解するためにも、金利の基本を知っておきましょう。
そもそも金利ってなに?
お金を借りたときには、その対価として利息を支払います。借りている額に対して、支払う利息の割合のことを「金利」と言います。

毎月の利息額の元金(借りている額)に対する割合を月利、年間の利息額の元金に対する割合を年利といいます。住宅ローンで表示されている金利は年利です。
なお、実際には毎月元金を返済するので、元金は少しずつ減っていきます。その減った元金(残高といいます)に対して、利息がかかるので、支払う利息額は毎回減っていきます。
金利が変わるとどのくらいの差が出るの?
例えば、3,000万円を30年間で返済した場合、金利が1%違うと返済額の総額は500万円以上多くなります。
金利が高いほど、毎回の返済額も多くなり、返済額の総額も多くなります。たとえ1%の違いでも、総額で見ると大きく違うことがわかります。
金利による返済額の違い

毎回の返済額は元金の返済分と利息の合計額です。そのため、金利が上がると返済額は増えますが、内訳を見てみると返済額が多くなるにもかかわらず、元金返済分は減っていることがあります。金利が高いほど元金が減るスピードも遅くなってしまいます。
毎月返済額の金額と内訳の違い

住宅ローンの金利タイプってなに?
住宅ローンにはずっと金利が変わらないものや、途中で金利が見直されるものがあります。金利タイプとは金利が見直されるかどうかやいつ見直されるのかを表したものです。
住宅ローンの金利タイプは大きく「変動金利型」「固定金利選択型」「全期間固定金利型」の3つに分けられます。金利が見直されるタイミングがそれぞれ異なります。
3つの金利タイプ
- 半年ごとに金利を見直す
「変動金利型」 -
半年ごとにその時点での金利に見直されます。ただし、返済額は5年ごとに見直されます。
※一部の金融期間には、金利見直しの度に返済額を見直すものもあります。
- 当初数年間の金利が固定
「固定金利選択型」 -
当初の固定期間(特約期間)は3年、5年、10年など、選ぶことができ、その期間は金利は変わりません。当初の固定期間が終了すると、その後、変動金利型にするか、固定期間選択型にするかを選ぶことができます。金利は、その時点での金利に見直され、返済額も見直されます。
- ずっと金利は変わらない
「全期間固定金利型」 -
借入れから返済が終了するまで、ずっと金利は変わりません。返済額もずっと一定です。
住宅ローンの金利が高くなると返済額も多くなります。そのため、住宅ローン選びにおいては金利がとても重要になるのです。
店頭金利と適用金利
金融機関の住宅ローン金利を見ると、次のような表示があります。それぞれ、どのような意味があるのでしょうか?
店頭金利と適用金利
| (1)店頭金利 | 3.5% |
|---|---|
| (2)金利引き下げ幅 | 2.2% |
| (3)適用金利 | 1.2% |
| (4)当初特約期間終了後の金利引き下げ幅 | 1.4% |
(1)店頭金利
引き下げなどが行われる前の、本来の金利です。金融機関によって表現が異なり、店頭表示金利、基準金利などと表示されているものもあります。
(2)金利引き下げ幅
昨今の住宅ローンは、ほとんどが本来の金利である店頭金利よりも低い金利で融資されます。店頭金利から何%引き下げてくれるかというのが金利引き下げ幅です。この金利引き下げ幅は、金融機関によっては審査次第で決められることもあり、●%〜●%と幅をもって表示されていることもあります。
(3)適用金利
融資してくれる際の実際の金利です。店頭金利(1)から金利引き下げ幅(2)を差し引いたものが適用金利となり、返済額はこの適用金利で決まります。
(4)当初特約期間終了後の金利引き下げ幅
固定金利選択型の場合、当初の固定金利期間(=当初特約期間)と、固定金利期間終了後とで金利引き下げ幅が異なる場合があります。例えば、上記の事例が10年固定だった場合、当初10年間は店頭金利から2.2%引き下げられますが、11年目以降はその時点の店頭金利から1.4%の引き下げに変更されます。固定金利選択型の場合は、当初特約期間終了後にどのくらい引き下げてくれるのかも総返済額に影響してくるため、当初の適用金利と合わせて確認・比較することが重要です。
住宅ローンの金利はほとんどの金融機関では、毎月第一営業日に発表され、その月に実行されるものに適用されます。
さて、住宅ローンの金利はどのように決まるのでしょうか?また、これから金利はどのように動いていくのでしょうか?