調理家電部門

ここ数年、調理家電の分野で人気の高級トースター。一般的なシーズヒーターなどで温めるタイプのオーブントースターよりも加熱の立ち上がりが速く、高火力で焼き上げられる仕組みを持つことで、パンなどを焼くと、外側はカリッと、内側はモチッと仕上がるということで、特にトースト好きの方からの人気が高い。そんな高級トースターブームもすでに一段落した感があったが、2021年、ある意味「最後発」的に登場したのが、本機、パナソニックの「ビストロ NT-D700」である。すでにさまざまな製品が登場し尽くした後で登場した製品だっただけに、差別化が難しいのでは？という下馬評をよそに、本製品は登場からまもなくして人気製品の仲間入りを果たす。本機が人気を博した大きな理由のひとつは、ほとんどの高級トースターが、加熱温度と加熱時間くらいしか調整できないのに対して、自動設定でちょうどよく焼き上げてくれるオートメニューの搭載だ。たとえば、トーストだけでも、厚切り、薄切り、アレンジ、フランスパン、クロワッサンなど多くのメニューを持っており、それぞれに対して適切な設定で焼き上げるので、失敗がほとんどない。過熱水蒸気を使う製品と異なり、水を入れる必要もなく、冷凍したパンも同様においしく焼き上げられる。最後発であるものの、オーブンレンジ「ビストロ」で培った技術を応用した本製品は、これまでの高級トースターの常識を塗り替える実力を持っていた。