1億本の実力と、2人に1人の実力
資生堂「Ag+(エージープラス)」「シーブリーズ デオ&ウォーター」

資生堂「Ag+ パウダースプレーD<LL>」180g(実勢価格1155円前後)(画像クリックで拡大)

認知度も高く、主力商品の「パウダースプレー」は2010年8月末の時点で累計1億本が出荷されているという「Ag+(エージープラス)」。

その成分もよく知られている。配合された銀含有ゼオライトは銀イオン(Ag+)をゼオライトで保持する構造をとっており、銀イオンが常在菌に作用し、菌の働きを一日中阻害することで、汗の変質を防ぎ、においのもとを断つ。殺菌成分である銀含有ゼオライトのデオドラント製品への配合に関しては、資生堂が2000年10月に医薬部外品の有効成分としての薬事認可を取得し、化粧品への配合に関する特許権も保有しているものだ。

現在ではパウダースプレーの7つの香り付きタイプ無香料タイプフットスプレースティックタイプパウダーシートなどラインアップも幅広く、特に2010年2月の発売以来、売れ行きを大きく伸ばしているのが「Ag+ クリアシャワーラージシート(クール)」(無香料/ボディー用)や「Ag+ クリアシャワーラージシート」(無香料/ボディー用)といったシート剤型のものだ。やはりシート剤型はかいてしまった汗も拭き取り、清潔肌を実現できるのがヒットの理由だろう。

またすっきり感が得られるという点では、ニオイ対策にクール感をプラスした「Ag+ クールパウダースプレー」も大きく売れ行きを伸ばしている。

とはいえ、もっとも人気が高いのはスタンダードなパウダースプレー剤型の中の「パウダースプレーD」LLサイズ(容量180g)。実は、ここには「制汗剤は家族で使用する」という傾向が表れている。

10代の女子中高生の2人に1人が使う「シーブリーズ」も家族で使用

シーブリーズ」が女子中高生に人気だというのは既述の通りだが、さらにこの商品がヒットしているのは「親子で使用するケースが増えていることも要因」(資生堂 広報部 永井正太郎氏)という背景もある。

シーブリーズ デオ&ウォーター」の使用年代は1位が10代の女子、2位が10代の男子、3位が40代女性という結果が出ているそうだが、3位に40代女性が入ってきたのは家族使用が増えた表れで、家族で1本、あるいは家族の人数分を用意しているという声もあるくらいだそうだ。制汗剤が、一つのコミュニケーションツールともなっていく可能性があるということだろう。

シーブリーズ デオ&ウォーター」160ml。左からせっけんシトラスフルーティ(2011年新香調)、クラッシュベリー(実勢価格各600円前後)。香調はほかに5つで全8香調(画像クリックで拡大)