Ag+の登場がニオイの意識を変えた!?

節電がいよいよ厳しくなるこの時期、見直したいのが各社の2011年制汗剤ラインアップだ。特に今年は「におい対策」を徹底的に考慮した「殺菌成分頂上決戦」と、資生堂の「シーブリーズ」が市場を席巻するウォータータイプに注目したい。

まず各社の殺菌成分の追求に関しては、大前提に、2001年に登場した資生堂の「Ag+(エージープラス)」の存在があるといっていいだろう。

1980年代以降1990年代までは、制汗剤と言えば「汗ベタ解消」のため、自分自身が快適になるためのものだったのだが、その役割が「Ag+」の登場でニオイ不安への関心を掘り起こすきっかけとなった。

一方で、ニオイの原因の解明も進んできた昨今、腋臭や汗臭が、汗の成分が皮膚常在菌によって分解されることで発生することも広く知られるようになってきた。各社の「殺菌成分」へのこだわりは、この原因菌を殺菌するため、「ニオイをなくす」ためのものだといえる。

そして2011年、注目の殺菌成分は、
・ナノレベルのニオイ分子に効く「ナノイオンメカニズム」(「Ban」ライオン)
・とことん自然由来の「β-グリチルレチンサン(BGA)」(「8×4」ニベア花王)
・汗にも皮脂にも効く「2種の殺菌成分」(「ギャツビー バイオコア」マンダム)
・出荷1億本の実績ありの「銀の殺菌力」(「Ag+」資生堂)

の4つ。ナノイオン微粒子を含む独自の消臭パウダーを使い、3段階でニオイ対策をするという「ナノイオンメカニズム」。集中的にニオイ菌を殺菌する、生薬である甘草から作られる自然由来の成分「β-グリチルレチンサン(BGA)」。従来の殺菌成分トリクロサンとIPMPに塩化リゾチームをそれぞれ加え、防臭力を飛躍的に向上させた「2種の殺菌成分」。そして、ニオイ対策の意識を変えた、銀含有ゼオライトの持つ高い殺菌効果により1日中防臭効果が持続する「銀の殺菌力」。「銀の殺菌力」以外は、今年打ち出された新たな成分あるいは方法だが、いずれも「殺菌して消臭する」という点では共通している。なお現時点では、「Ban」「8×4」はターゲットそのものは女性ではあるが、男性でももちろん十分、効果効能が期待できるものだといえる。