自然由来のBGA殺菌、女子人気のウォーター剤型
ニベア花王「8×4 パウダースプレー」「8×4 デオウォーター」
ニベア花王「8×4 パウダースプレー」。左から無香料、フレグランスセレクション ナチュラルスピリット、フレグランスセレクション ハッピーモード、フレグランスセレクション フェアリースウィート。香調はほかに、せっけん、フレッシュフローラル、ジューシーシトラス、アクアティックマリンの全8香調。サイズは50g(実勢価格370円前後)と150g(実勢価格700円前後)
ニベア花王が首都圏在住の女性(12歳〜59歳)を対象に実施した調査がある。それによると、制汗防臭剤の「防臭効果」を重視する傾向は年々強くなってきており、2004年は45%の人が重視すると答えていたが、2009年にはそれが54%にまで伸びている。同時に制汗防臭剤の配合成分への意識も高まり、2010年には「殺菌成分」や「消臭成分」の認知度は95%にまで伸びており、さらに「効果が同じであれば、自然由来成分」を選びたいという意識を持つ女性が86%にも上っているという。
だからこそ、1974年の発売から37年間ずっとデオドラント専門ブランドとして市場をリードしてきた「8×4(エイトフォー)」は、自然由来による殺菌成分にとことんこだわった。
そしてたどり着いたのがβ−グリチルレチン酸(BGA)という殺菌成分だ。開発期間はおよそ10年と長い。
BGAは、抗炎症作用が知られている、化粧品の基剤として使われてきた甘草からつくられる自然由来の成分。これが、腋臭の原因菌の一つと考えられているコリネバクテリウムキセロシスに対して優位な殺菌作用を持つことを発見した。もともと「8×4」では、自然由来の消臭成分「消臭緑茶エッセンス」を採用していたが、2011年2月26日にこの「BGA」を加えた「8×4 パウダースプレー」を発売するに至ったのだ。
BGAで殺菌すると、まず、汗がニオイの成分になることが防げる。それでもすべての菌を消すことはできないので、出てしまったニオイをすばやく包み込み、におわなくするのが消臭緑茶エッセンスの役割。「自然由来のものと聞くとどうしても効果が弱そうだと思いがちかと思うが、これまでの同社製品より優れていることは間違いない」とニベア花王 マーケティング部 助川孝一氏は強調。ダブルの効果で、よほど大量の汗をかかない限りは、ニオイを抑える効果は1日でも持続すると考えられる。
今回、香りについては人気の高い定番の香り以外に、「フレグランスセレクション」という、パッケージのデザインのテイストにもこだわった製品も発売。「8×4は、歴史がある分認知度やロイヤルティーは高い。ただもっと20代後半以下の女性に訴求していく必要があった。そこでライフスタイルに合うような製品を開発した」(ニベア花王 マーケティング部 蔵本晶子氏)という。香り自体は、どこか柔軟剤のような洋服からそっと香る、さりげなさもある。
「2008年にダウニーがブレークし、以降柔軟剤の香りを楽しむ日本人が増え、香りそのものに対する意識も変わってきたように思う。今までよりも、自分の好きな香りをつけたいという要望は高まってきている」(蔵本氏)。フレグランスセレクションは、まさに、そうした要望にこたえる製品でもある。