制汗剤の市場規模は400億円超え

制汗剤が、売れに売れている。

今や制汗剤の市場規模は400億円にも上る。2010年は猛暑の影響もあり、2009年に対して113%の伸びで、414億円(販売ベースで423億円という説もある)にもなった。

「ただし、天候要因がそのうち30億円分くらい」(ニベア花王 マーケティング部 助川孝一氏)と各社。とはいえ市場としての堅調な成長から東日本大震災以前には「2011年に関しては、2010年の市場から猛暑要因を除いた380億円から10億円は伸びる」(助川氏)と予測していた。

ここに、節電要因がプラスされ、商品の需要は予測以上になった。

「例年、各社の新製品は年明けから2月、3月にかけて発売されるが、実際に制汗剤商戦が始まるのはゴールデンウイーク前後から。まずスプレーが売れ、暑くなるにつれシートが伸びる」(ライオン ヘルスケア事業本部 小西真梨氏)。それが今年は4月の時点で制汗剤、特にボディーシートと呼ばれる剤型の商品が前年比4割増しの売り上げとなった。予測にたがわず震災の影響が大きい。ただ先述のとおり、特別な事情がなくとも成長市場であることは間違いない。ここには現代のビジネスパーソン、特に20代、30代前半のビジネスパーソンの意識の変化が表れている。

においが原因で「同性から嫌われる」ことに不安を感じる女性たち

まず、制汗剤市場において20代、30代が40%以上の構成比率を持つ女性の意識が、年々変わってきている。

ライオンが20代〜40代までの有職女性を対象に行った調査を参照すると、21歳〜25歳のいわば「ゆとり世代」ともいえる層は特に、においで同性から嫌われるのが恐いとする人が全体の3割と高い。においが原因で「異性から嫌われる」ことより「同性から嫌われる」ことに、不安を感じるのは、30代でも40代でも共通している。

そしてこれは女性に限ったことではない。

出展:女性3世代を徹底分析「女性のコミュニケーション実態とニオイの意識」に関する調査(ライオン プレスリリースより(画像クリックで拡大)