2017年8月22日
基礎知識
住宅ローン契約とあわせてやりたい「保険の見直し」とは?
住宅を購入する場合に、多くの方が利用するのが「住宅ローン」です。住宅ローンを利用する際に一緒に見直しや検討をしたいのが生命保険をはじめとする各種保険です。住宅ローンと保険は一見して 関係性が乏しそうですが、一緒に考えると大きな節約につながることも多いです。住宅購入の際には これら一緒に検討して、費用の削減を目指しましょう!
住宅ローンを契約する際に、ほぼ必ず加入する保険とは?
団体信用生命保険は住宅ローン専用の生命保険
住宅ローンを借りた人が万が一亡くなってしまったり高度障害になってしまった場合に、住宅ローンの残債を借り入れた金融機関に支払って清算してくれるのが団体信用生命保険(以下「団信」)です。そのため通常の 生命保険と違い保険金の受取人は住宅ローンを借り入れした金融機関となります。
現在は、住宅ローンを借り入れる際に団体信用生命保険の加入を借入条件とする金融機関がほとんどです。
団体信用生命保険の種類
死亡・高度障害以外も保障する団信が多数存在
以前は一般的な死亡・高度障害の際の保障である団信がほとんどでしたが、各金融機関が住宅ローンの金利を競うように、団信についても差別化を目指した結果、「3大疾病保障付団信」「7大疾病保障付団信」「8大疾病 保障付団信」など種類が増えております。
| 団体信用生命保険 | 3大疾病保障付団信 | 7大疾病保障付団信 8大疾病保障付団信 |
|
|---|---|---|---|
| 保険料 | 多くは金利に含まれるので別途支払は不要 *フラット35の場合は別途保険料負担 |
住宅ローン金利に0.3%程度上乗せ | 年齢、借り入れ内容、住宅ローン残高により別途保険料負担 *金融機関負担の場合もあり |
| 保障内容 | 死亡・高度障害 | 死亡・高度障害 + がん・脳卒中・急性心筋梗塞 |
死亡・高度障害 + がん・脳卒中・急性心筋梗塞・高血圧性疾患・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変(8大疾病は上記に加えて慢性膵炎) |
「住宅ローンと生命保険 」より
ここで注意したい点は、保障の範囲が広くなることと、住宅ローンの金利負担の関係性です。通常の団体信用 生命保険であれば、住宅ローンの金利に保険料が含まれているため、別途保険料の支払いはありません。(ただし、住宅金融支援機構のフラット35は、別途保険料を負担します)
保障範囲が広い団体信用生命保険は、住宅ローンの金利に上乗せされる形で別途保険料を負担する形が一般的です。
保障範囲は広いに越したことはありませんが、借入金額や期間によって、金利上乗せ分が手痛い存在にも なりかねません。また、各保険によって保険金の支払い条件や健康状態の診査方法も異なります。住宅ローンを検討する際は、ローン金利や手数料だけでなく、団信の保障内容も加味して選ぶことをお勧めします。
住宅ローンを借りる場合は団信に必ず入らないといけない?
フラット35を利用する場合は、必須加入でない
先ほどもお伝えした通り、住宅ローンを借り入れる際に団体信用生命保険の加入を借入条件とする金融機関がほとんどです。ただし、フラット35(住宅金融支援機構が提供している長期固定金利住宅ローン)は団信への加入は任意としています。とはいえ、遺族に住宅ローンの負担をさせないためにも、何かしらの保険には加入すべきです。
団信への加入が任意の場合に、多くの方は民間の生命保険も含めて検討されます。具体的には、住宅ローンは返済が進むにつれ残債が減りますので、同じように保険金額が年々下がる「収入保障保険」を活用するケースが多いです。
団信と収入保障保険の違いは?
保険料(特約料)の算出方法が異なる
団信は年齢による保険料の違いはなく、借入金額・期間によって特約料が決まります。
収入保障保険は保険金額・期間が同じ場合、年齢によって保険料が異なります。一般的には若い方のほうが保険料が安くなります。そのため、30代までの方は収入保障保険、40代以降の方は団信の方が保険料が有利になる傾向にあります。
万が一の時に、保険金を受け取る相手が異なる
団信の場合、保険金の受取人は住宅ローンを借り入れした金融機関となります。そのため、住宅ローンの一括返済の手続きがスムーズです。
収入保障保険の場合、保険金の受取人は遺族になります。そのため、保険金を受け取ってから金融機関に残債を一括返済するため、手続きが煩雑であったり、スムーズに返済ができない場合があります。
保険料(特約料)の支払うタイミングや金額が異なる
団信は毎年残債の金額に応じて特約料を年に一回払いますので、特約料は年々減っていきます。そのため、当初は特約料が多く、家計の負担になるケースがあります。
収入保障保険は一般的に、毎月一定の金額を満期まで支払います。(保険会社によっては「年払い」「半年払い」 なども選択できます)そのため、自己資金が大きく減る住宅購入時は、月払いにすることで購入当初の費用を抑えることができます。
繰り上げ返済を行った際にとるべき行動が異なる
住宅ローンの繰り上げ返済をした場合、毎年住宅ローンの残債に対して特約料を算出する団信は自動的に保険金額が下がりますので、特約料も自動で下がる仕組みになっています。
収入保障保険の場合は、繰り上げ返済の際に、保険金額や期間を自身で保険金額の見直しをする必要があります。また、商品によっては保険金額の細かい調整ができない場合があります。
生命保険料控除の対象か否かが異なる
生命保険料控除の対象となる保険は、保険金を受け取る人が、被保険者本人やその家族が対象のものに限られます。そのため、団信の場合は保険料を受け取る人は債権者(銀行など)となりますので、対象外となってしまいます。
| 団体信用生命保険 | 収入保障保険 | |
|---|---|---|
| 保険料(特約料) 算出方法 |
年齢による保険料の違いはない ⇒一般的に40代以降の方に有利 |
年齢によって保険料が異なる ⇒一般的に30代までの方に有利 |
| 保険金受取人 | 住宅ローンを借入した金融機関 ⇒住宅ローンの清算がスムーズ |
被保険者の遺族 ⇒住宅ローンの清算が煩雑 |
| 保険料(特約料)を支払うタイミング・金額 | 年一回の支払で、年々特約料が減る ⇒契約当初の保険料負担が大きい |
毎月一定の金額 ⇒契約当初の負担が少ない |
| 繰上返済時の対応 | 借入金額の残債によって計算されるため、自動的に保険料が減る ⇒手間がかからない |
契約者が保険の見直しを自ら行う必要がある ⇒手間がかかる |
| 生命保険料控除 | 控除の対象にはならない | 控除の対象になる |
団信、または収入保障保険に加入したら、生命保険は必ず見直しを!
生命保険で保障していた、遺族への住居費の保障が2重になる
生命保険は、世帯主に万一のことがあった場合、遺族のその後の生活を支えるために加入するものです。 しかし団信や収入保障保険にて住宅ローンの残債分を保障する場合、生命保険を加えた保障総額が過大に なるケースが多いです。
<必要保証の目安>
生命保険の必要保障額は一般的に、住居費、日々の生活費、子どもがいれば子どもの教育費などを足し合わせた金額になります。このうち、住居費に関しては万一のことがあった場合は、団信や収入保障保険によって残りの住宅ローンが弁済されますので、それ以降の住居費負担がなくなります。つまり、この分は現在加入している生命保険の必要保障額から減らすことで、生命保険の見直し、ひいては保険料の節約につながります。 以下モデルケースからもう少し詳細に計算を確認してみましょう。
<賃貸マンションから新築マンションを購入した場合のモデルケース>
- 前提条件
- 賃貸マンションの家賃:10万円
- 購入したマンションの管理・修繕費:1〜15年→2万円 16〜30年→3万円 31年以降→4万円
- 住宅ローンは35年で借入れし、団信に加入
- 賃貸マンションの住居費用総額
- 10万円×12ヶ月×35年=4,200万円
- 新築マンションで、団信でカバーできない住居費用総額
- (2万円×12ヶ月×15年)+(3万円×12ヶ月×15ヶ月)+(4万円×12ヶ月×5年)=1,080万円
- 必要保障額の差額
- 4,200万円-1,080万円=3,120万円の必要保障額が下がる
住宅ローンを借り入れる場合は、火災保険も各社の比較を!
「住宅の構造」と「必要とする補償の範囲」によって、最適な火災保険の保険会社が変わる
住宅ローンを借り入れる際に、団信ともう一つ、火災保険も基本的に加入が借入条件とする金融機関がほとんどです。
ただし、団信と違って民間の損害保険会社の火災保険の商品を自分で選ぶことが可能です。当然金融機関やハウスメーカーからも火災保険を提案されますが、数ある保険会社のうち1社しか取り扱っていないケースが多く、最適な商品か否かが分かりにくいのが難点です。
火災保険は一般的に、建物の構造(戸建であれば木造が鉄骨造か、またはマンションか)や、補償する範囲(火災に加え、水災害や盗難などの補償も加えるか)などにより、同じ補償内容であっても保険会社間で保険料 に差が出るのが特徴です。
保険期間や補償範囲にもよりますが、数十万円の保険料を支払うケースが多いため、しっかり比較をして購入時のコストを少しでも減らしていきたいものです。
<火災、風災を補償の場合の火災保険料相場(一戸建て、H構造)>
[ 前提条件 ]
建物の所在地:東京都 / 建物補償額:1,500万円 / 契約年数:10年間 / 面積:100u の場合保険開始日:2015/10/1 / 建築年月:2015/10 / 保険料支払方法:長期一括払い / 物件:専用住宅
価格.com - 火災保険の相場(※2016年1月時点)より
【まとめ:住宅ローンを借り入れたら保険のチェックを!】
- 団信の種類と金利上乗せの内容をチェック
・保障範囲が広い団体信用生命保険は、住宅ローンの金利に上乗せされる - フラット35の場合は、団信以外の保険もチェック
・収入保障保険を活用するケースが多い
・団信と収入保障保険の違いに気をつける
- 住宅ローンを利用する場合は、必ず今加入している生命保険をチェック
・住居費用の保障が2重になるので、生命保険を見直して保険料を削減する - 火災保険も各社の補償内容・保険料をチェック
・住宅の構造や必要とする補償の範囲を確認
住宅ローン 人気ランキング
2025/12/30 現在-
1位
SBI新生銀行パワースマート住宅ローン 変動(半年型)
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【借り入れ手続き】ウェブ上から申し込みが行えて簡単です。契約などについては電話で聞けますし、電子契約で行います。
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3位
イオン銀行全期間優遇金利プラン 変動
年0.780% 〜0.830% (2025/12/01 時点)- 借入金利は物件価格の借入比率(80%以内・80%超)により異なります。表示の金利は手数料定率型で借り入れをした場合の最大差引幅適用の参考金利となります。
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【借り入れ手続き】来店は基本不要で申込が可能です。
【サポート】店舗窓口での説明はとても丁寧でわかりやすかったですね。 -
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【金利】他の銀行と比べて低いと思います。いくつか条件がありますが、それほど難しくは無いですね。
【借り入れ費用】事務手数料はしっかりとかかります。
【返済】元利均等返済であり口座からの自動引き落としとなります。
【保険オプション】「3大疾病保障特約」や「特定状態保障特約(団信革命)」があり個性的です。
【借り入れ手続き】申込はネットから可能です。借入の契約に関しては店舗で相談しました。
【サポート】店舗で相談しましたが、説明はとても丁寧でした。 -
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PayPay銀行住宅ローン 変動
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PayPay銀行の住宅ローンをおすすめしている評判・借り入れレポート5 低金利で団信が充実してます。申請画面が凄く分かりやすく、初めての住宅ローンでしたがスムーズにできました。母子家庭でネット銀行は審査が厳しいと思っていたので、ダメもとで申し込みしたところ、審査が通り無事購入することができました。やはり低金利は魅力です。
【金利】低いほうです。
【借り入れ費用】事務手数料は元金2.2% 他はかかりません。
【返済】元利均等返済のみです。
【保険オプション】がん100%保障 +0.1%
【借り入れ手続き】ネットのみです。
【サポート】問い合わせ時の対応は丁寧でした。
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