皆さんご存じのように、車検には有効期限があります。乗用車(3・5ナンバーと軽自動車)の場合は、新車取得時に3年、2回目以降は2年ごととなっています。この有効期限は、車検証に記入されているため、すぐに確認することができます。また車両のフロントウインドウに貼り付けるステッカーに記載された年月で、いちいち車検証を取り出さなくても大まかな有効期限を確認することは可能です。
しかし気をつけて欲しいのは、このステッカーには有効期限の終了する「月」までしか記載されていないことです。ユーザーの中には、記載月の月末までが有効期間だと勘違いしている人も多いようですが、実際には車検を取得した日付までが期限となっています。油断していたら有効期間が過ぎてしまった、というトラブルの無いよう、充分に気をつけましょう。
車検の有効期限が切れてしまうと、大変面倒なことになります。まずは公道上で自動車を走らせることが出来なくなってしまうため、再び車検を取得しようと思ったときには、仮ナンバーを申請して自動車を運び出すか、キャリアに搭載して整備業者まで運び出さなければなりません。手続きとしても、通常の車検取得よりも複雑となります。手間としてもコストとしても、大きな負担となってしまうのです。また各種費用や有効期限は車検を再取得した日から2年間有効になるものの、自動車税に関しては年度ごとの区切りとなっているため、車検の空白期間もしっかりカウントされてしまい、「自動車に乗っていないのに税金を払わなければならない」という、なんとも無駄な費用を強いられることになってしまいます。
いっぽうで、長期間動かすことなく放置してしまった自動車は、再び完調になるまで大がかりな整備が必要となるケースがあります。消耗品を初めとするパーツや油脂類の交換に加えて、ゴム類やブレーキ、エンジンなどの駆動系に大がかりな整備が必要になってしまう場合は、数10万円にものぼる大きな出費を迫られることになります。自動車は、多数のパーツによって組み上げられた複雑な工業製品だけに、完調さを保つためには定期的な整備が必須となっているのです。快適に自動車を乗り続けるために、そして思わぬ大出費を避けるためにも、車検制度をうまく活用して自動車の好調さを維持しましょう。