運用方法新NISA(ニーサ)のつみたて投資枠とは?
「新NISAのつみたて投資枠とは?」のまとめ
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- ポイント3
- 「つみたて投資枠」年間投資枠は120万円
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- ポイント5
- 100円から積立可能な金融機関も
新NISAのつみたて投資枠で活用できる商品の種類や数、投資方法などについて説明します。つみたて投資枠での投資のやり方は、投資初心者や極力シンプルに投資をしたい人などに適した方法だと言えるでしょう。
「つみたて投資枠」対象商品は国の基準をクリアした投資信託

つみたて投資枠で購入できる商品は、長期の積立・分散投資に適するなど金融庁の基準を満たした投資信託(非上場の公募株式投資信託)とETF(上場投資信託)に限定されており、2024年1月30日現在で281本あります。
うち投資信託は273本で、株式のみを投資対象とする株式型が153本、株式と債券や不動産など複数の資産で運用するバランス型が120本あり、ETFは8本のみです。それぞれ国内か海外か国内外かの内訳は下表のとおりです。
「つみたて投資枠」対象商品(2024年1月30日現在)
国内 | 内外 | 海外 | 合計 | ||
---|---|---|---|---|---|
投資信託 | 株式型 | 51本 | 27本 | 75本 | 153本 |
バランス型(株式を含む資産複合型) | 5本 | 113本 | 2本 | 120本 | |
ETF(株式の指数連動型) | 3本 | - | 5本 | 8本 | |
合計 | 281本 |
※金融庁発表資料より筆者作成
商品数が限定されていることは、「選択肢が多過ぎて選べない」状態に陥ることを防ぐ効果があります。また、投資の基本原則は自己責任ですが投資初心者にとっては、商品選択において金融庁が一定のお墨付きを与えた商品の中から選べる安心感もあります。
「つみたて投資枠」対象商品は購入時手数料なしなど低コストのものに限定
投資信託の手数料に関する金融庁の選定基準は、以下の通り低コストのものに限定されています。
手数料 | インデックス型投資信託 | アクティブ型投資信託 | |
---|---|---|---|
購入時手数料 | なし(ノーロード) | なし(ノーロード) | |
信託報酬 (運用管理手数料) |
国内資産対象 | 0.5%以下(税抜) | 1%以下(税抜) |
海外資産対象 | 0.75%以下(税抜) | 1.5%以下(税抜) |
手数料が低いということは、それだけ投資に振り向けることができる資金が多くなり、投資家にとっては効率的な運用が可能になります。
なお、金融庁の基準を満たした商品のすべてが私たちの購入対象になる訳ではありません。なぜなら、金融機関によって取り扱う商品が異なるからです。
「つみたて投資枠」での取扱商品数(例)
A証券(ネット) | B証券(店舗型) | C銀行 | |
---|---|---|---|
投資信託の数 | 211本 | 19本 | 24本 |
取扱商品は各金融機関がそれぞれ指定します。そのため、購入対象商品の数は金融庁の基準を満たす商品数(2024年1月30日現在で281本)よりも少ない数になります。
新NISA口座は、ひとりにつき1口座(1金融機関)しか開設できず、口座を開設した金融機関が取り扱っている商品の中からしか選ぶことはできません。したがって、「どの金融機関で口座を開設するか?」がきわめて重要になります(なお、年単位で金融機関を変更することはできます)。
「つみたて投資枠」年間投資枠は120万円

つみたて投資枠での投資では、年2回以上の定期積み立てが条件となっています。積立頻度は金融機関によって異なりますが、毎月・毎週・毎日などから自分で設定でき日付や曜日なども指定できます。
つみたて投資枠の年間投資枠は120万円と決められており、毎月積み立てをする場合は月10万円が1回当たりの積立上限額になります。
ゆとりのある家計などで、つみたて投資枠の上限の年間120万円を超える積み立てを行いたい場合は、成長投資枠を活用して積立てることもできます。成長投資枠の年間投資枠は240万円なので、月20万円まで積立てられます。
つみたて投資枠と成長投資枠を合計すると月30万円まで、年間360万円までの積立てができることになります。
金融機関が対応していれば、つみたて投資枠で購入している商品と同じものを成長投資枠でも購入できます。なお同じ商品であっても、つみたて投資枠と成長投資枠の間で商品を移管することはできません。
非課税保有限度額は1,800万円、売却すると翌年に枠が復活

非課税保有限度額は、つみたて投資枠と成長投資枠との合計で1,800万円と定められています。そのため成長投資枠を併用していると、つみたて投資枠の限度額に影響を与えることになります。
投資金額が累計で1,800万円に到達すると以後、新たに商品を購入することができなくなります。しかし、保有商品を売却すると売却した翌年にその商品を買い付けた際の取得価額分だけ非課税保有限度額が復活し、再利用することができるようになります。
商品を売却して得たお金は、さまざまなライフイベント資金などとして使えます。売却のたびに翌年復活した非課税保有限度額を再利用して、新たな投資を続けることができるのです。
新NISAでの保有商品を売却すると、非課税保有限度額は翌年に復活。マイホーム購入時に保有商品を売却して頭金を確保し、余裕ができてから投資を再開するなど柔軟な利用方法が可能です。
100円から積立可能な金融機関も
1回当たりの積立金額は、家計の状況などに配慮して自分で設定する必要がありますが、金融機関の中には「1回当たり100円から」という少額積立ができるところもあります。
100円から積立可能な主な金融機関
・SBI証券 ・楽天証券 ・マネックス証券 ・松井証券 ・三菱UFJ eスマート証券(旧 auカブコム証券) ・PayPay証券 ・大和コネクト証券 ・GMOクリック証券 |
積立額はいつでも見直せるため、家計の状況によって柔軟に変更することができます。ゆとりが生じれば増額し、ゆとりがなくなれば減額するなどをして、積み立てを中断することなく長期的に資産形成をしてはいかがでしょうか。
投資で資産を増やすコツは複数の銘柄や資産、国や地域を組み合わせる分散投資・長期投資・投資のタイミングの分散(積立投資)の3つを組み合わせることだと言われています。つみたて投資枠での投資は、投資のタイミングの分散(積立投資)が仕組みに組み込まれており、購入できる投資信託は分散投資ができる低コストの商品に限定されています。
購入する投資信託と積立額を決定し、積立頻度を設定するだけで自動的に商品の買付が行われ、その後は何もしなくても継続的に長期間にわたって投資可能なつみたて投資枠での投資のやり方は、投資初心者でも実践しやすい投資方法と言えるでしょう。
- 執筆・監修 中村宏(なかむら ひろし)
- オフィス ワーク・ワークス代表。ファイナンシャル・プランナー(CFP®)日本FP協会認定。一級ファイナンシャル・プランニング技能士。2003年より独立系として活動。金融商品の取り扱いは一切行っておらず、個人相談・メディアへのコラムなどの執筆・セミナー講師などの業務により、ライフプランに基づいた家計管理や資産形成の推進・定着に取り組んでいます。
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