NISAで投資信託を選ぶなら純資産残高を把握しよう

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運用方法NISAで投資信託を選ぶなら純資産残高を把握しよう

NISA口座は長期投資が前提ですから、投資信託を買うにも、長期保有できるファンドを選ぶ必要があります。そして長期保有するためには、繰上償還されないファンドを見極めなければなりません。そのためのポイントは、純資産残高に加えて、資金の流出入を把握することです。

純資産残高は100億円超を選ぶ

100億円以上の純資産残高を持ったファンドを選ぶイメージ

まず純資産残高の見方。投資信託は純資産残高が30億円未満になると、繰上償還が検討されます。理由は2つあります。

ひとつはポートフォリオの構築が困難になること。30億円を割り込んでさらに減少していくと、投資信託の最大のメリットである分散投資がしにくくなります。一定の分散投資効果が得られるポートフォリオを構築するためには、ある程度の資金力が必要になるのです。
もうひとつの理由は、30億円の純資産残高では、運用会社としての利益が得にくくなることです。

たとえば運用管理費用が年2%だとしましょう。30億円の純資産残高だと、年間の運用管理費用は6,000万円。このうち、運用会社として得る運用管理費用は1%程度なので、3,000万円。この中から、リサーチにかかる経費やファンドの運用報告書などを受益者に郵送するコスト、社員の給料、ファンドの広告・販促費用などを差し引いていくと、最終的に赤字になってしまうのです。
赤字を垂れ流しているだけのファンドを運用し続けても、投資信託会社としては何の利益にもなりません。そのため、出来るだけ早いうちに繰上償還させるのです。
したがって、純資産残高が30億円以上あれば、当面、繰上償還のリスクは避けられますが、それだとギリギリのラインなので、出来れば100億円以上の純資産残高を持ったファンドを選んだ方が無難です。

流出入状況はここで把握する

純資産残高が100億円以上あればひとまず安心ですが、問題は資金の流出入状況がどうなっているのかということです。

解約による資金流出額が、追加購入による資金流入額を上回っている状態が続くと、ファンドマネジャーは解約資金を作るため、ポートフォリオに組み入れられている銘柄を売却する作業に忙殺されます。ファンドの成長を支える新しい銘柄を買うゆとりはどこにもなく、ひたすら売却し続けざるを得なくなるのです。

こうなると、ファンドの運用成績も回復しにくくなります。資金が安定的に流入していれば、株価などが大きく下がったところで、新たに同一銘柄を購入し、平均の買いコストを引き下げることもできますし、より成長の期待できる銘柄を組み入れることができます。しかし、解約による資金流出が続くと、ポートフォリオを改善させるための新規投資が全くできなくなります。結果、ファンドの運用成績はジリ貧をたどることになります。

グラフから2013年に資金流出していることが伺える

したがって、資金流出が続いているファンドは買わない方が無難です。個別ファンドの資金流出入については、投資情報サイトや運用報告書でチェックできます。

ライター:鈴木雅光

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