総評・受賞製品一覧

コロナ禍の反動が残る市況下で、例年以上に厳しい消費者の目にかなった、低価格で十分以上の性能を実現した高コスパ製品たち

3年にわたるコロナ禍が明けた今年2023年。世界的な半導体不足や、物流遅延などもようやく解消され、停滞していた経済も上向くだろうと思われていた。しかし、コロナ禍で弱った企業の生産力は前の水準には戻らず、むしろ、コロナ禍におけるテレワークなどによる特需の反動が出て、製品の買い控えが目立った。パソコンはもちろんのこと、外出自粛の状況下、家の中で快適に過ごすための家電製品などは、この3年の間に買いそろえてしまったという人が多かったためか、むしろ今のほうが消費者の購買行動が鈍くなった印象すらある。いっぽう、外出自粛が解除されたことで、旅行などのアクティビティは増加したが、これに関連する自動車やカメラ関連については、1年を通して供給が追いつかず、買いたくても買えないという状況が続いた。いずれの場合も、3年にわたったコロナ禍の負の影響が色濃く残った1年だったと言える。

そんな今年、ユーザーに高く支持されたのは、ひと言で言えば「高コスパ」の製品だ。前述のような「需要の先食い」による反動もあるが、コロナ禍が家計に与えたダメージも少なくなかっただろう。また、メーカーの研究開発が停滞したため、興味をそそられるような新製品が少なかったということもあるかもしれない。そのいっぽうで、今年は、急激な円安が発端となった物価の高騰にも見舞われた。多くの製品の物価が上昇し、モノの価格に対して厳しい目が向けられる中で、多くの消費者が購入し、高く評価したのが、リーズナブルな価格で実用的な機能・性能を実現した製品だったのも無理はない。

もちろん、こうした高コスパの製品には価値がある。大賞や金賞に選出された各製品の顔ぶれを見てみると、確かに価格は安いが、その価格以上のすぐれた機能や性能を持っているものばかり。この3年間で市場自体のトレンドが変わってきた分野もあり、以前は評価が低めだったものが高評価に変わったという例もある。また、機能はシンプルにとどめつつ、使いやすさを徹底したモノや、モノ作りの原点に立ち返ることで成功を収めた例もあった。いずれも、今という時代を的確にとらえながら、消費者が求める性能や機能、そして価格を実現したという意味で、非常にすぐれた製品ばかりである。

いっぽう、評価されたのは高コスパな製品ばかりではない。自動車やカメラ、オーディオなど、趣味性の高い製品ジャンルでは、技術の粋を集めた最先端モデルがやはり安定した評価を得た。これらのジャンルは得てしてコロナ禍の外出自粛によって停滞を余儀なくされており、今年ようやく再稼働を始めた感がある。やはり、市場全体が活気づくことではじめて、最新の技術も光り輝くのだということを改めて思い知らされた気がする。

上記のように、コロナ禍の影響がまだ残っていた2023年ではあるが、今年の「価格.comプロダクトアワード」では、特殊な状況下ならではのユニークな製品が多く選出されたように思う。例年以上に厳しい目を持った消費者を満足させた「技あり」の製品たちを、ぜひ確認していただきたい。

株式会社カカクコム
執行役員
ショッピングメディア本部副本部長
鎌田 剛

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