さまざまな水槽メンテナンスグッズを駆使して、水槽をきれいにキープしましょう。
アクアリウムを維持していくには、水換えとともに各部分の掃除(クリーニング)が必要です。掃除は、その目的と必要性によって、こまめにやるべきものと、ある程度の期間をおいて行うものに分けられます。
こまめに行うのは、餌の食べ残しや枯れた水草、水槽の縁やガラス面に付着した餌の除去、さらに水槽の外側についた水滴や水跡の拭き取りです。これらは魚を眺め終わった後に、1日の締めくくりとして日課にしておきたいものです。
水槽の中のゴミと違って、縁の汚れは見る位置を変えないとわかりにくいので見逃しがちです。放置するとカビが発生したり、虫が寄ってきたりします。また、水滴は、乾くと中に含まれているカルシウムなどが結晶化します。最初のうちはほとんど目立たず、軽く拭う程度でも取れますが、付着と乾燥を繰り返すとだんだん強固になって取れにくくなるので、なにか作業をしたあとは必ず水が付いていないか確認することを習慣付けましょう。水槽の近くにペーパータオル(縁など、目立たない部分用)や布タオル(ガラスを拭いたり、こぼれた水を吸取ったりする用)を常備しておくとよいでしょう。
跡が残ってしまったら、お風呂の鏡用のクリーナーや、食酢などである程度除去することができます。強い酸で結晶を溶かしてやればよいのですが、一般家庭用で入手できるものは限られます。水槽の内側でも、常に一定の水位にしていると喫水線の跡が残ります。洗剤などを使うわけにはいかないので、毎日でも軽くぬぐって予防しましょう。

水槽の外側に付着する水滴は布タオルなどを使ってこまめに拭き取っておきましょう。サイドや背面もお忘れなく。そのまま残しておくと、固着してとりづらくなってしまうことがあります。
一定の期間をおいて行うのは、水換え、底床クリーニング、コケ掃除、石や流木の汚れ除去、水草のトリミング、フタや水温計、ライトや保温器具などの掃除といった、水槽に手を入れたり、物を動かしたりする必要のある作業です。フィルター(ろ過器)も、タイプや機種によって異なりますが、特にトラブルなどがなくても2、3か月〜半年程度でろ材の交換や掃除(洗浄)を行うようにしてください。
石や流木といったレイアウトグッズ、フタ、水温計などのパーツ類は水槽から取り出して、風呂場などで表面の汚れを落とします。保温器具は必ずプラグを抜いていることを確認します。これらは単純にブラシやスポンジでのこすり洗いで大丈夫ですが、ガラス製品は割ってしまわないよう、慎重に扱いましょう。また、長く使用している流木は表面がもろくなっていて、強くこするとかなり削れてしまうことがありますが、これはある程度仕方のないことです。
照明器具は、冬季には結露によってカバーや本体に汚れやカビ、コケが付着する場合があります。布などでぬぐい取り、隅は綿棒などを使います。分解したり、配線部分には触れたりしないように注意しましょう。水槽の内側のガラス面も、硬いブラシや粗めのスポンジは使わないようにします。やわらかいスポンジで軽く数回拭う程度にし、取れにくいコケなどにはアクリル定規や割り箸のかどを使います。マグネット式のコケ取りを使う場合は、まれに底床に含まれる砂鉄が付着することがあり、そのまま動かすとガラスに傷をつけてしまうので、取り外したときの保管場所に注意しましょう。
水槽のコーナー部分も汚れやコケが残りやすい場所ですが、この部分が劣化するとシリコンが剥がれ、水漏れやガラス自体が剥がれる危険があります。ブラシを食い込ませたり、強くこすったりするのは避けることが大切です。特にガラス同士をシリコンで接合した枠のない水槽の場合は、壁面にも外側に向かった力をかけないように十分注意してください。

水槽内に水草の欠片やゴミが漂っていると見た目が悪いだけでなく、水質の悪化にもつながってしまいます。水槽の近くに目の細かいネットを常備し、こまめにすくって除去しましょう。
フィルターは、ろ材を交換したり丸洗いしたりする場合は、水質の急変を防ぎろ過バクテリアを残しておくために、大量の水換えや底床クリーニングを同時に行わないようにします。ろ材がカセット式で複数セットできる場合は、時期をずらして交互に交換するのがポイントです。
ろ材の洗浄方法は、水槽の水をある程度容器にとり、その中でガラガラとかき混ぜます。スポンジの場合は抵抗がなくなるまでもみ洗いし、汚れた水を捨てて、もう一度水槽の水を移し、それですすぎとします。そのまま乾かさないようにしておき、その間にフィルター本体を洗うようにします。
モーター内蔵の機種は、シャフト部分に枯れた水草の繊維やコケが絡み付いていることが多いので、その場合は細いピンセットで取り除きます。作業する際にプロペラの車軸を折ったり曲げたりしないように注意してください。細いパイプや細かい溝には、急須用のブラシや歯ブラシ(コンパクトタイプ)が便利です。その他、歯間ブラシや綿棒など、専用の掃除器具以外にもいろいろ使えるものがあるので試してみてください。
底床の内部は、ろ過槽内を除けば最も汚れが溜まっている場所で、その汚れ具合は水質にも影響します。つまり、底床内を定期的にきれいにすることによって、水換えの頻度や量を減らすことも可能です。ただし、汚れは水と一緒に吸い出すので、水換えも同時に行うことになり、あえて別に水換えをする必要はほとんどなくなります。また、汚れは徐々に溜まるものなので、セット初期に行う必要はありません。飼っている魚の数や餌の量により異なりますが、1か月を過ぎたころから行うといいでしょう。
使用器具(プロホースなど)は、市販されているものを予算に合わせて選ぶことができます。いずれも筒状のパーツを底床に差し込んで水を吸い出すと、適度に底床素材をかき回して汚れだけを排出することが可能です。汚れがなくなったら次の位置へ移動、という作業を繰り返すことになりますが、このとき、差したままではなく、いったん抜いてから移動するのがポイントです。差したまま動かすと、汚れを水中にまき散らしてしまいます。また、底床素材によっては水と一緒に吸い出されそうになることがあるので、ホースを指で折って流れの強さを調節してください。水草用に肥料を埋めてある場合は、水草の生長具合をみて、使いきったと判断できる部分のみ作業を行い、追肥を施してください。株元に近い場所も、根を傷めてしまうので頻繁に行う必要はありません。
大型の水槽や、特殊な形状の水槽などには、軽量で加工のしやすいアクリルが使われていることがよくあります。アクリル水槽はガラス水槽に比べると、衝撃には比較的強いのですが、表面に傷が付きやすいので、ブラシや粗めのスポンジで強くこすったりするのは厳禁です。外側の水濡れやホコリは、やわらかめの布でできるだけこまめに拭き取るようにしてください。内側に生えたコケも同様で、柔らかいスポンジなどで落とせるよう、目立ってくる前に掃除するのが理想的です。固着してしまったコケや汚れは、こするのではなくアクリル定規などのエッジ部分でこそぎ取るようにするのがベストです。
接合部についてはガラス水槽と異なり、アクリル同士をアクリル溶剤を主成分とした接着剤で貼り合わせてあり、いってみれば溶接のような状態でほぼ一体化しているので、高品質なものであればかなり丈夫です。しかし、コーナー部分は力が集中しやすいので、ガラス水槽と同様に強くこするのは避けたほうがよいでしょう。
油脂や化学薬品に対しても弱いところがあり、粘着テープやシールなどを長期間貼ったままにしておくと、アクリル自体が変質して跡が残ることがあります(バックスクリーンを外側に貼る場合も、できるだけ目立たない位置にテープを着けるようにしてください。テープでなく、磁石を使う方法もおすすめです)。保湿用のハンドクリームなども、触れたところを放置しておくと跡が残ることがあるので、作業後だけでなく、作業前にもよく手を洗うようにしてください。
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