水槽周りにも気を配ろう

水槽を眺めているときには、ほかのことには意識がいかないのであまり気にならないものですが、ふとまわりに目をやったときに、ホースやバケツが雑然と置かれていたり、コード類がごちゃごちゃと絡み合っていたりしては、興ざめです。自分だけの水槽部屋や温室なら、見やすさや使いやすさだけを考慮すればいいのですが、特にリビングルームなど、飼育者以外も利用する場所に水槽を設置するのであれば、「水槽まわりも含めた見た目」というのが大事になります。

アクアリウムに限らず、家電製品のコードの処理には頭を悩ませるものです。しかも水槽関連の器具のコードは短いものが多く、そのままではまとめたりするのが難しいので、複数のコンセントのついた延長コードを利用して、水槽の近くで分岐させるというのが一般的になります。ただし、使う器具はかなり多くなるので、1本のコードにさらに分岐コンセントを接続する、いわゆる「タコ足配線」になることは避けてください。また、フィルターは餌やりの際に止めた方がいい場合もあるので、いちいちプラグを抜き差ししなくていいようにスイッチのついたタイプを使用するのをおすすめします。

コード類が目立たないようにするために、水槽の後ろに隠すようにするのは、手が届きにくくなって手入れを怠り、また水がかかることも多いのであまり好ましくありません。部屋にあるコンセントの近くに水槽を設置して、直接器具を接続できる場合も同様で、コンセントに直接水がかかるのはもちろん、水がコードを伝ってコンセントに侵入する危険があります。これを防ぐために、器具のコードは一部を床にはわせるか、途中にU字形のたるんだ部分を設けるようにします。それでも、ホコリが溜まることで、毛細管現象によって水が到達する場合があるので、目立たなくしつつも、掃除はしやすくすることが重要です。壁にフックを取り付けたりできるのであれば、水槽の背面やサイドのやや高い位置につけて、そこに延長コードのコンセントを設置するのがベストだといえます。

水槽周りの器具は照明やヒーター、フィルター、エアポンプなどコード類とコンセントへの接続が多くなりがちですが、タコ足配線にならないように注意が必要です。延長コードを使用する場合はON/OFFがしやすいように個別スイッチが付いたものを使用し、最大定格容量を超えないようにします。

水換えに使うホースやバケツ、拭き取り用のタオルなどの道具類は、あまり離れた場所にしまい込んでしまうと、こまめに作業するのがおっくうになりがちです。そのために、近くでありながら目には入らないようにする工夫が必要です。水槽を台の上に置いてある場合は、その下を収納場所として使えます。そのままでは丸見えなので、塩ビ板やスチロールボードなどで囲む方法がよくとられます。ボードの固定は、サッシのようなレールをつけたり面ファスナーを使ったりとさまざまですが、鉄製のアングル台の場合は、磁石（100円ショップで直径約2センチのフェライト磁石が10枚ほど入ったものが入手可能。より強力なネオジム磁石もあるがやや割高）で固定すると取り外しが簡単です。鉄以外の台でも、マグネットシートを適度な大きさに切って貼り付けることで、磁石を使うことが可能です。

塩ビやアクリルなどは使っているうちに反りが生じるので、布を垂らすのもいい方法です。100円ショップで売っている「てぬぐい」や、裁縫用の素材を扱っているお店の「カットクロス」は、探してみるといろいろな絵柄があって楽しめます。取り付けるには、ボードのように磁石を使ったり、突っ張り棒や園芸用のポールとカーテン用クリップを組み合わせて、カーテンやのれんのようにすることができます。布は何枚か用意しておき、ぬれたら取り替えて洗っておくとよいでしょう。

収納スペースの中は、ラックや仕切りをつけるなどして、ゴチャゴチャにならないようにしたいものです。使いたいものがすぐに取り出せるようになっていないと、結局メンテナンスがおろそかになったり、部屋を汚したりします。ホースやチューブも、コンパクトに巻いてからコード用のバンドなどでコンパクトにまとめ、バケツに入れておくと場所をとりません。また、メンテナンスなどで使った道具類は、必ず水をふき取ってから収納するようにしてください。ぬれたままだと、カビが生えたり、溜まった水が腐敗したりすることがあります。

手ぬぐいと園芸用ポール、クリップを利用して、水槽台下の目隠しを簡単に作ることができます。