ゲーム部門

任天堂から2017年3月に発売された家庭用ゲーム機「Nintendo Switch」。発売からすでに7年近くが経過しているが、今でも圧倒的な人気を誇る。その大きな理由は、任天堂自らが中心となって戦略的に行っている大型ゲームタイトルの継続的な投下だ。毎年クリスマスシーズンになれば、人気のマリオやポケモンといったキャラクターが大活躍するタイトルが店頭をにぎわせる。子供たちの夏休み前にも「スプラトゥーン」など、やりこみ度の高いタイトルがちゃんと用意される。しかも、これらのタイトルは、子供でも無理なく遊べるゲームバランスに調整されており、家族みんなで楽しめるのだ。こうした要素が「Nintendo Switch」の強さの根底にある。
今回ゲーム部門で大賞に輝いた「スーパーマリオブラザーズ ワンダー」は、そんなSwitch向けタイトルのエッセンスを詰め込んだようなゲームだ。最大の特徴は、11年ぶりに、あの「スーパーマリオブラザーズ」が、発売時そのままの2D横スクロール型で復活したということ。これまで長い間、3Dゲームとして進化してきた同シリーズであるが、やはり2Dの横スクロールは操作もしやすく、ゲームに集中しやすいことが、本タイトルで証明された。ゲームの面白さの本質は、グラフィックのきれいさや、最新技術を駆使することとは違う。そんなことを改めて感じさせる良作が、多くのユーザーに高く評価されたのは当然のことだったろう。