ボーズ株式会社
マーケティング本部 ブランドマーケティング部
担当部長
硲 夏希さん
硲さん - そのような形でユーザーの皆さんに高くご評価いただいたことは本当にうれしく思います。「SoundLink Mini Bluetooth speaker II」はおっしゃる通り、「高音質」ということにこだわって設計されています。もちろん、スピーカーやアンプを大きくすることで高音質を求めることは可能ですが、手のひらに乗るほどの小型ボディでありながら、これだけの高音質を実現しているという点が、本製品の大きな魅力だと自認しています。

プロダクトアワード2015 オーディオ部門 大賞を受賞した「SoundLink Mini Bluetooth speaker II」
硲さん - ここ数年で、音楽や動画の視聴スタイルが劇的に変化していますよね。特に2001年にアップルから「iPod」が発売されたのがエポックメイキングな出来事で、誰もが大量の音楽を持ち歩いて聴くようになった。そして、今はもうストリーミングの時代になって、音楽データすら持ち歩かなくなっています。
そうした時代の中で、Boseの存在意義は何かと言えば、その時代時代にベストな形で、よりよい製品をお届けするということだと思います。iPodが発売されてからすぐに、いわゆる「ドック型スピーカー」と呼ばれるような製品を作ったのもBoseですが、この「SoundLink Mini」という製品も、その延長線上にあるのかもしれません。

ボーズ株式会社 硲 夏希さん
硲さん - 基本設計は前モデルからほとんど変えていません。バッテリー持続時間が10時間に伸びたのと、スピーカーフォンの機能がついたくらいです。Boseという会社は、「世の中に役立つための技術を発明する」ということをコンセプトにしている研究会社であり、ずっと非上場を貫いてきています。そのため、一般的なメーカーの開発スタイルとは少し異なり、発明された基礎技術が製品の形になるまで、かなり長い時間がかかることがあります。この「SoundLink Mini」に関しても、その開発にかなりの長い時間をかけており、基本的なサウンドがすぐに変わることはありません。これはほかのBose製品に関しても同じようなことが言えると思います。

長い時間をかけて培われた「SoundLink Mini」の基本コンセプト
硲さん - 2013年に初代の「SoundLink Mini Bluetooth speaker」を出したときは、市場にはすでにBluetoothスピーカーもたくさんありましたし、コンパクトな製品もたくさんありました。しかし、これだけのコンパクトさと質感を持って、しかも劇的に音がいいという製品はなかったと思います。もちろん価格も、当時の市場の中で決して安いとは言えませんでしたが(笑)。

2013年に発売した初代「SoundLink Mini Bluetooth speaker」
硲さん - Boseが創業時から一貫してこだわってきた「高音質」ですが、それをこれだけの小型のパッケージで実現できたということにつきますね。実際は、左右に1基ずつ小口径のフルレンジスピーカーユニット、あとはそこから出た低域部分を増幅させるためのパッシブラジエーターという基本的にはシンプルな構造です。ただ、この独自開発のスピーカーユニットは、同サイズの従来型ユニットに比べて2倍の空気量を送り出せるので、小さくても量感のあるサウンドを鳴らせるのです。このフルレンジスピーカー一発で鳴らすというのは、Boseがこだわってきた部分ですね。
また、本製品ではよく低音がいいというような評価をいただいていますが、あくまでもパッシブなので、肝の部分はやはりこの小型スピーカーユニットの駆動によって作られています。これだけ小型のフルレンジスピーカーだけだと、どうしても低域に限界があるため、パッシブラジエーターで低域補完をしています。いずれにしても全てが極めて小型ですから、他にも独自のさまざまな技術によって、深みのあるどっしりとした低音再生を実現しています。

ユーザーレビューでも「高音質なBoseサウンド」を高く評価する声が多く見られた
硲さん - 高音質にもいろいろな解釈がありますが、Boseが考える高音質というのは、創業者のボーズ博士が掲げた、生演奏の臨場感を再現するというところにあります。もちろんスピーカーで100%生の音をつくり上げるのは誰もが不可能と言うかもしれません。しかし、ボーズ博士は本気でそれをやれると言い切ってBoseを立ち上げ、無数の革新的な発明を生んだ。そういうDNAこそが、いわゆる「Boseサウンド」というものなのだと思います。
最近「体験」というのが流行の宣伝文句のようになっていますが、Boseが考える「体験」というのは、単に製品を実際に体感してもらうことを重視している、というだけではない。むしろ、その音を聞いてどう感じるのか、心地よいと思う音は何なのかといった「人間の体験の研究」に基づいて作られているのがBose製品です。そこが、きっと皆さんが感じる「Boseサウンド」の独特な感覚なのだと思います。
硲さん - そう感じていただけると非常にうれしく思います。オーディオの世界では、例えば消費電力であったり、インピーダンスといった電気的なスペックが判断基準になることが多いのですが、そのスペック1つ1つは、実際に聴いてみていいなと思うサウンドのほんのごく一部しか表していないとボーズ博士は言っています。私たちは、昔からカタログでもスペック情報をほとんど掲載していませんが、それは、そうした電気的な数値よりも、実際に聴くという「音楽体験」がすべてと考えているからなのです。
硲さん - そのようにして皆さんに選んでいただけたことは本当にうれしいことです。ぜひ店頭などで実際にその音を聴いていただいて、Boseならではの高音質を体験していただければと思います。

プロダクトアワード2015 オーディオ部門 大賞 記念楯の贈呈
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