イタリアのランチア・イプシロン。日本ではクライスラーブランドで販売されましたが、皆様の予想通り、あっという間に販売終了になりました。プラットホームとエンジンはフィアット製で、生産はポーランドの様です。
未登録車を購入してから1年が経過し、5000キロ程走行しました。
グレードはゴールドです。上級グレードのプラチナではまた評価が少し異なると思います。
街乗り、峠、高速道路と一通り走行してみましたので、主観ではありますがレポートさせて頂きます。
尚、現時点での故障や不具合は全くありません。
【エクステリア】
とにかく個性的なデザインで、馴染みのない外観です。表現が難しいですが、
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一般的なイメージのイタリア車というわけではなく、近未来的で無国籍な雰囲気と言えるでしょう。この車が気になっている方は、是非実物を見に行って下さい。写真で見るより、実車はボリューム感と高級感があります。コンパクトカーにしてはノーズが長めで、フロントは迫力が有ります。テールのボリューム感は圧巻で、5ナンバーサイズであることを忘れさせます。
【インテリア】
内装やシートは、頑張って高級感を出そうとしている意図を感じます。国産コンパクトカーの様に、量産性を重視しプラスティックを多用したインパネやシートと比べて、上質感が有ります。インパネのセンター2眼メーターは珍しく、気に入っています。シートは少し柔らかく、長距離を走行すると腰に負担がかかります。キャビンの収納スペースは殆どありません。グローブボックスには車検証すら上手く入りません。後部座席はかなり狭く、大人4人での長距離移動は辛いと思います。
【乗り心地/取り回し】
ボディー剛性と密閉性が高いので、コンパクトカーを運転している事を忘れさせるとても重厚感のある乗り心地です。路面の凹凸はよく拾いますが、嫌な感じはしません。サスペンションはもう少し硬い方が良かったです。ハンドンリングは軽めですが、185-55-15のタイヤサイズとの相乗効果で、忠実なハンドリングを路面に伝達します。着座位置が高めで運転自体はし易いですが、取り回しはボディーサイズの割には悪いです。それでも、そもそもがコンパクトカーですので、気にならない取り回し性能です。
【エンジン性能】
一番危惧していたのがエンジン性能です。車両重量1090 kgに対して、総排気量875ccの2気筒エンジン。どの様な走りを見せるのか心配でしたが、実際のところ動力不足は全く感じません。ターボが低回転から効力を発揮しますので、非常にトルク感溢れる走りが出来ます。街中ではエコモードで十分でしょう。ただ、1速〜2速のギア比が低いので、出だしの加速はかなりもっさりした感じです。通常モードにてアクセルを踏み込むと、あっという間にスピードが出ます。加速時のエンジン音は、ディーゼルエンジンの様でかなりうるさいです。加速時とは対照的に、巡航速度に入ると殆どエンジンの稼働音がしなくなり静かです。峠道もターボの恩恵で、坂道もストレスなく登ります。高速道路での時速100キロ巡航も、ボディの剛性や密閉性の良さもあり、静かで快適です。とても不思議なエンジンです。
【燃費】
エコーモードで、街乗りではリッター15キロ程です。遠出での走行では20〜25キロくらいになります。ガソリンはハイオク指定ですので、ランニングコストは良いとは言えません。
【総評】
運転免許を取得してから25年。数多くの車を運転しましたが、この車に乗り始めてから、久し振りに車を運転する楽しさを思い出しました。近年私にはただの移動手段になっていた車が、イプシロンに乗り始めてから、楽しい趣味の時間に変わりました。維持費や実用性に関しては、国産コンパクトカーにはとても敵いませんが、重厚感ある走行性能や乗り心地など、昨今の国産コンパクトーカーでは決して得られないものがあります。圧倒的な所有感や車を操る面白さ等、確実にカーライフを充実させてくれるとお思います。