これまで30数年間で9台の車を乗り継いできて、今回で10台目です。前車はCX-5でした。家族は、スイフト、プリウス(2台)、BMW 1シリーズ(118i、120)に乗ってきましたので、それらとの比較を交えながらレビューしたいと思います。慣らし運転の2,000kmを走り終えましたので、ここまでの感想です。
【エクステリア】
腰高感のある独特なスタイリングが目を引きます。ボディカラーのストーングレーは予想以上にベージュ寄りでしたが、落ち着いた高級感があります。
【インテリア】
ATTO 3のような奇抜さはなく、ドアノブやインパネ周りもオーソドックスで扱いやすいd[す。特に大きなドア
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ノブは軽い力で操作でき、開閉が楽です。一方、シフトレバー周辺のピアノブラック部分は指紋が目立つため、私はAliExpressでシリコンカバーを購入しました。
15.6インチのセンターディスプレイ(回転はしませんよ)は視認性が高く、Apple MusicやAmazon Musicではミュージシャンやジャケットの画像が大きく表示され、気分が盛り上がります。ディスプレイの操作性には賛否ありますが、慣れればエアコンやシートベンチレーションは音声認識で操作でき、不便は感じません。
ただ、速度標識警告など一部機能はOFFにしても再起動時にONへ戻るため、OTAによる改善に期待したいところです。
CX-5のBOSEも十分高音質でしたが、Infinityサウンドシステムは音場の広さや臨場感で一歩上を行く印象です。
猛暑時のシートベンチレーションも非常に快適です。でもサンルーフからの熱の侵入は強く感じるため、遮熱フィルムを施工すれば快適性が向上するでしょう。
【エンジン性能】
もともとエンジン音は小さく、発電のために始動しても非常に静かです。高速道路ではエンジン直結のパラレルモードになりますが、時々モーターのアシストもあり、強く加速しない限り騒がしさは感じません。
【走行性能】
静粛性は非常に高く、HEVモードでもEV走行の割合が高いため、舗装状態の良い道路では滑るように静かに走ります。遮音ガラスの効果もあり、市街地ではエンジンの存在を意識する場面はほとんどありません。
回生ブレーキと油圧ブレーキの協調制御も自然で、減速時にギクシャクすることなくスムーズに停止します。ペダル操作は穏やかで扱いやすく、渋滞時でも疲れにくい印象です。オートブレーキホールドのメモリー機能も便利です。
ステアリングはコンフォート設定ではやや軽めです。CX-5やBMW 1シリーズほどのダイレクト感はありませんが、市街地から高速道路まで過不足なく扱えます。
ACC/ICCは車線中央維持機能も含めて安定しており、この価格帯としては非常に充実しています。ただし、先行メーカーのシステムと比べると、加減速やステアリング補正がやや慎重すぎると感じる場面もあります。
【乗り心地】
乗り心地は非常に良好です。後席に乗る家族に聞いても快適との評価でした。
路面が荒れている箇所では多少の揺れを感じますが、全体としては段差の衝撃を穏やかに吸収してくれます。
CX-5やBMWはシャシーや足回りが比較的硬めで、段差を越えた際に「ドン」と入力が来ても素早く収束する印象があります。一方、この車は柔らかく揺れを受け流しながら乗り越えていく感覚です。ただ、大きな段差ではやや大きめの揺り返しを感じることもありました。
【燃費】
モーターのアシストが強力で、ガソリン消費は非常に少なく感じます。一方で、100%まで充電しても電力の消費は比較的早い印象です。HEVモードでは25%の最低残量値またはSAVE設定値まではEV優先で走行するため、1〜2時間程度の走行で充電分をほぼ使い切ります。この点は少し意外でした。
【価格】
価格競争力は非常に高いと思います。実質的に25〜30万円相当のオプションパッケージが付帯するケースも多く、自動車重量税が免税となり、CEV補助金も利用できます。
BYD eパスポートも4年間のメンテナンスと初回車検込みで15万円と、輸入車の中では比較的リーズナブルです。さらにBYD e 自動車保険には等級に影響しない5万円までの修理補償や新車提供サービス、3年一括払割引きなどもあり、トータルコストで見るとお得感があります。
【総評】
毎回何かしら新しい発見や驚きがあり、飽きの来ない車です。
圧倒的なコストパフォーマンス、高い静粛性、広い車内、質感の高いインテリア、ゆったりとした乗り心地、そして街中でほとんど見かけない希少性もあって、満足度は非常に高いです。
ウインカーレバーが右側に配置され、レギュラーガソリン仕様であることも好印象です。輸入車でありながら国産車に近い感覚で扱えます。
一方で、日常的に使っていると、コストを抑えるための割り切りも見えてきます。全体的にスチール部品が多く使われており、軽量化のためにアルミやカーボン素材を積極的に採用するという方向性ではないようです。
また、ドアを開けて下回りに目をやると、塗装処理や仕上げはかなり雑に感じられます。塗装のハゲや錆、後処理されていないギザギザの鉄板...。目に見える部分の質感向上には力を入れている一方で、普段見えない部分では凄まじいまでに手を抜く...中国ならではの合理的な設計思想を感じます。こうした割り切りがあるからこそ、この価格と装備内容が実現できているのでしょう。ある意味、日本車は派手さはないものの、細部まで丁寧に、誠実に作り込まれていたのだなということを再認識させられます。そのようなものづくりの思想の違いを感じられることも含めて、この車には異文化を感じる独特の面白さがあります。
「BYDが将来撤退したらどうなるのか」という指摘もよく耳にします。しかし、多くの地方ディーラーは他の輸入車販売や整備事業も手掛ける企業グループが運営していて、BYDから販売・整備業務の委託を受けている形です。BYDが直接経営しているわけではありません。将来のことは誰にも分かりませんが、仮にBYDが日本市場から撤退した場合でも、既存の販売会社や整備ネットワークが何らかの形でサポートを継続する可能性は高いのではないかと思います。